桂あやめ (3代目)

三代目 桂あやめ

三代目 桂あやめ（かつら あやめ、本名：入谷 ゆか、1964年1月31日（戸籍上は2月1日） - ）は、日本の落語家であり、吉本興業に所属しています。上方落語協会および上方落語協会茶道部「楽茶会」の会員でもあります。出囃子は「菖蒲浴衣」です。

兵庫県神戸市兵庫区出身で、夙川学院高校を中退しています。実姉は寄席囃子三味線方の林家和女、義兄は5代目林家小染、甥は当代林家染八という落語家一家です。

来歴

中学2年生の時、課外授業で上方落語に触れたことがきっかけで落語に夢中になりました。特に5代目桂文枝（当時は3代目小文枝）のファンで、オリジナルTシャツを作って落語会に着ていくほどの熱心な追っかけでした。5代目文枝によれば、夏には浴衣姿でMBSテレビの「素人名人会」の公開収録を観覧し、飛び入りで落語を披露したこともあったそうです。

小文枝に入門を志願した際、車の免許がないことを理由に断られましたが、合宿で2週間後に免許を取得し、1982年6月5日に正式に入門を許され、桂 花枝（かつら はなし）を名乗りました。5代目文枝は、免許の話は断るための口実だったものの、本当に取得してきたため、弟子入りを認めざるを得なかったと語っています。

1982年11月、京都蛸薬師の桂文太の会で初高座を踏みました。当時、女流噺家は珍しかったため、その時の音源が録音されています。花枝時代は「花ちゃん」の愛称で親しまれていました。入門当初はなかなか受け入れられなかったものの、女性が女性を演じる創作落語に転向したことで、「セールス・ウーマン」「営業一課の高田君」「コンパ大作戦」などの人気作が生まれました。5代目文枝は、古典落語には無理があると考え、「おまえなりの何かを考えてやったほうがええのとちゃうかなあ」とアドバイスしたそうです。

24歳で4歳年上の照明技師と結婚しましたが、3年で離婚しました。小文枝は当初から結婚は長続きしないと考えており、「おまえ、別れるで」と予言していたそうです。

1992年1月5日、「スナックママ連続殺人事件」の指名手配犯が隣人を装って部屋に侵入し、首を絞められて現金14万円を奪われるという事件に遭遇しました。しかし、彼女の通報により犯人は逮捕されました。小文枝によると、警察の事情聴取には気丈に対応していましたが、師匠に報告の電話を入れた際、師の声を聞いた途端に泣き崩れてしまったそうです。さらに5日後の1月10日には、当時雇われママをしていたスナック「はなし」で現金35,000円が盗難に遭い、再びマスコミの注目を集めました。

1992年4月、桂小枝と小文枝の相談により「桂あやめ」への襲名が決定しましたが、前述の事件の影響で実際の襲名は約2年遅れ、1994年6月6日に3代目桂あやめを襲名しました。「あやめ」は小文枝の入門当時の高座名であり、彼女自身も高校時代から憧れていた名前でした。

1995年1月17日の阪神・淡路大震災で母親を亡くしましたが、気丈に高座を務めました。その時の状況は、後に「徹子の部屋」で語られました。また、体調を崩した父親を自身のアパートに引き取り、看病をしました。

1999年には、林家染雀との音曲漫才コンビ「姉様キングス」を結成しました。2002年には38歳で女児を出産し、シングルマザーとなりました。父親の名前は公表されていません。

2003年からは大阪市天王寺区にミニホール「茶臼山舞台」を開設し（2007年3月まで）、閉場後は自身の落語会や公演の連絡先として利用しています。

2009年には彦八まつりの実行委員長を務め、短編映画「あなたのためならどこまでも」を制作・公開しました。

2012年には、内海英華、めぐまりこらとともに『女芸人キャバレーナイト』を結成し、毎月ステージショーを開催。また、内海英華、めぐまりことともに音曲漫才トリオ『オジョウサンズ』も立ち上げました。さらに同年、林家花丸、笑福亭生喬らと「花詩歌タカラヅカ（はなし家宝塚ファン倶楽部）」を立ち上げ、芸名を「逢坂 夕陽」としました。

2014年には髪を金髪に染めました。

2018年にオープンした神戸新開地・喜楽館のロゴマークは、彼女がデザインしたもので、座布団の上で笑う人を碇形に似せて描いたものです。

演芸活動

時事問題を扱う「あやめジャーナル」や新作落語のネタ下ろしを中心とした「できちゃったらくご！」など、積極的に落語会を主催しています。

かつてはSM大喜利というイベントを開催し、SMのコスチュームで悪い答えには膝の上にブロックを置くという過酷なルールで話題を集めました。

また、漫才コンビのロザンと共に「あやめ・ロザンのアンテナ」というトークイベントを開催していました。

ラジオ番組『ラジオよしもと むっちゃ元気!』がきっかけで、まるむし商店の磯部公彦、しましまんずと共にユニットバンド「おせち」を結成し、自作の曲でライブ活動をしていました。あやめはボーカルとアコーディオンを担当しました。

人物

「スナックママ連続殺人事件」の被害に遭ったことをきっかけに、防犯催涙スプレーの通信販売広告キャラクターを務めました。

蜘蛛グッズのコレクターでもあります。

実姉が林家和女、義兄が5代目林家小染、自身が桂あやめと、最後に「め」がつく名前であることにこだわりを持っており、弟子にも「さろめ」と命名したそうです。

出演

現在

ほっとネット☆ベイコム（ベイ・コミュニケーションズ、隔週）

過去

芋たこなんきん 工藤タエ役（NHK）
グラン・ジュテ 私が跳んだ日（NHK教育テレビ、2011年10月13日）
FNNスーパーニュースアンカー（関西テレビ、金曜日不定期）
かんさい情報ネットten!（読売テレビ）
爆報！ THEフライデー（TBSテレビ、2017年9月1日）
ジェフとあやめの金曜KANSAI丼（ラジオ関西）
OBCヤングラジオ（ラジオ大阪）
ラジオよしもと むっちゃ元気スーパー!木曜（ラジオ大阪）

受賞歴

1987年 「第8回ABC漫才落語新人コンクール」最優秀新人賞
1994年 「第1回きらめき賞」
1996年 「咲くやこの花賞」大衆芸能部門
1997年 「大阪府芸術劇場」奨励新人賞認定
2000年 「大阪府女性基金プリムラ奨励賞」
2002年 「第57回文化庁芸術祭賞」演芸部門優秀賞
2007年 「繁昌亭大賞」奨励賞
2018年「神戸市 文化奨励賞」

著書

『桂あやめの艶姿ナニワ娘』東方出版、2000年、ISBN 4885916488

弟子

桂さろめ（2007年入門、のちに廃業）
桂おとめ（2017年3月入門）

脚注

参考文献

5代目桂文枝『あんけら荘夜話（新装版）』（小佐田定雄）青蛙房、2011年11月。
浜美雪『師匠噺』河出書房新社、2007年、ISBN 4309269451
タレントプロフィール - 吉本興業公式プロフィール

関連項目

落語家一覧
文枝一門

外部リンク

桂あやめ公式ウェブサイト
桂あやめ - 上方落語家名鑑
桂あやめ プロフィール - 吉本興業
かつらあやめ (@ayame753) - X（旧Twitter）
桂あやめ (100005697005524) - Facebook
* 桂あやめ - YouTubeチャンネル

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