桂川質郎

桂川質郎の生涯と功績

桂川質郎（かつらがわ しちろう）は、1907年に宮城県名取郡に生まれ、2003年に96歳で亡くなるまでの間に、相撲界と武道の両方で深い足跡を残しました。本名は檀崎質郎（だんざき しちろう）で、相撲界では伊勢ヶ濱部屋に所属し、主に1950年代の力士として知られています。その身長170cm、体重88kgという体格を活かし、左四つ、突っ張り、そして吊りを得意としていました。最高位は1937年の西前頭筆頭でした。

初土俵からの挑戦

桂川は1927年に初土俵を踏み、当初は「名取川」という四股名で名を馳せました。しかし、その後「桂川」に改名し、桂太郎元首相の次男から姓を受け継いだと言います。1934年には入幕を果たしましたが、幕内での上位進出は1回に限られ、1942年に全敗を記録した後、相撲界を引退することとなります。引退後は、夢想神伝流居合の道場に通い、檀崎友彰（だんざき ともあき）という新たな名を名乗ることとなりました。彼は居合道範士9段、杖道範士7段、剣道教士7段の資格を持つなど、多彩な武道の才能を見せました。

引退後の人生と居合道

彼の相撲人生は、現役中の激しい稽古に明け暮れる中で指先を全て骨折し、曲がったままとなってしまったことも特徴です。引退後の桂川は、伊勢ヶ濱部屋に留まりつつ後輩たちの指導に力を注ぎ、1956年には木瀬部屋を設立しました。この部屋は元前頭筆頭の肥後ノ海によって創設されたもので、彼自身の教育理念に基づいて多くの力士を育てました。

また、彼は相撲の指導に加え、居合道道場も構え、ここでもその名を広めました。1964年には東京オリンピックのデモンストレーションで居合道を演武し、1969年には全日本剣道連盟の居合の制定委員としても関わりました。居合道と相撲道の両方において指導者として活躍したことから、彼の存在は多くの人々に影響を与えました。

終焉と功績

2003年、桂川は96歳という高齢で天に召されました。彼の死は、現役時代の幕内力士の中で最高齢という記録を持つことからも、その生涯が単なる相撲力士としてではなく、文化を伝承する重要な役割を果たしたことを示しています。また、彼は双葉山と対戦した全力士の中で最後の生存者でもありました。

故郷の名取市には「檀崎質郎友彰先生顕彰碑」が建立されており、彼の名は今も地域の人々の記憶に残っています。このような彼の功績と影響は、今後の世代にも形を変えながら引き継がれていくことでしょう。

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