桜の代紋 (映画)

映画『桜の代紋』詳細解説

あらすじ

物語は、岩国基地から150丁もの拳銃が紛失した事件から始まります。その夜、2名の警察官が射殺され、事件の捜査を担当することになった刑事の奥村昭夫（若山富三郎）と加藤（関口宏）は、暴力団・西神会の若頭である杉山（石橋蓮司）を追います。奥村に協力を求められていた橋田組の組員が杉山を発見しますが、逆に殺害されてしまいます。

橋田組の組長である宮川（大木実）は、西神会に乗り込み、乱闘の末に組員を殺害。駆けつけた奥村は、宮川を現行犯逮捕します。宮川と親交のあった奥村夫婦は、彼の娘である悦子（東三千）を養子に迎え、彼女の婚約を成就させます。一方、奥村たちは杉山の恋人であるミチ（真山知子）を尾行し、杉山を逮捕しますが、厳しい取り調べで杉山が自供した拳銃の隠し場所には、拳銃がありませんでした。

杉山は警察内部に密告者がいることをほのめかしますが、その後、護送中に何者かの襲撃を受けて殺されてしまいます。護送車に同乗していた奥村は責任を問われ謹慎処分となります。奥村は同僚の加藤に密告者の名を告げます。加藤は密告者である刑事の滝本（小林昭二）が西神会から賄賂を受け取っている現場を目撃しますが、その直後に電話ボックスの中で殺害されてしまいます。奥村は、加藤の死体から拳銃を奪い、滝本を問い詰めますが、滝本も何者かに射殺されます。

奥村は、ミチから西神会の情報を得ようとしますが、西神会の村越（渡辺文雄）が奥村の妻である佳代（松尾嘉代）を誘拐したことを告げます。西神会の事務所に乗り込んだ奥村は、事件から手を引くことを誓わされ、暴行を受けた後、自宅に戻ります。しかし、後日、同僚の江川刑事（江幡高志）から、妻・佳代の死を知らされます。

怒りに燃える奥村は、西神会の事務所に乗り込み、幹部や組員を次々と射殺します。最後に残った会長の大星（大滝秀治）も殺害し、7人殺害の罪で無期懲役の判決を受けます。裁判後、報道陣に判決について問われた奥村は、警察官であるため控訴する意思はないと語ります。

出演者

奥村昭夫: 若山富三郎
加藤刑事: 関口宏
奥村佳代: 松尾嘉代
ミチ: 真山知子
悦子: 東三千
村越: 渡辺文雄
山崎捜査四課長: 須賀不二男
滝本刑事: 小林昭二
西川: 草野大悟
杉山: 石橋蓮司
大星: 大滝秀治
菅県警本部長: 内田朝雄
老父: 加藤嘉
裁判長: 中村伸郎
弁護士: 北村英三
江川刑事: 江幡高志
宮川三郎: 大木実

スタッフ

監督: 三隅研次
脚本: 石松愛弘
原作: 若山富三郎
製作: 若山富三郎、眞田正典
企画: 久保寺生郎
撮影: 森田富士郎
照明: 美間博
美術: 下石坂成典
録音: 林土太郎
音楽: 村井邦彦
編集: 谷口登司夫

評価

映画評論家の青山真治は、本作を「日本映画の負の臨界点」と評しましたが、黒沢清は「日本のアクションもじゅうぶん世界レベルじゃないかとほれぼれした」と絶賛しています。また、篠崎誠は本作を「史上最高の映画」の1本に選出するなど、映画監督や評論家からの評価が非常に高い作品です。

併映作品

『新座頭市物語 笠間の血祭り』（監督：安田公義）

外部リンク

桜の代紋 - allcinema
桜の代紋 - KINENOTE
桜の代紋 - 日本映画データベース
Sakura no Daimon - IMDb
桜の代紋 - MOVIE WALKER PRESS

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