桜島藤野町

桜島藤野町（さくらじまふじのちょう）

鹿児島県鹿児島市に属する桜島藤野町は、桜島の北部に位置する町です。この地域は、かつての大隅国大隅郡桜島郷藤野村、鹿児島郡西桜島村大字藤野、そして鹿児島郡桜島町大字藤野という歴史を経てきました。

地理

桜島藤野町は、桜島の北部に位置し、火山扇状地の扇端に広がっています。町の南部から西部にかけては桜島武町、東部には桜島西道町が隣接し、北側は鹿児島湾に面しています。東部には、旧桜島町の中心地であった鹿児島市役所桜島支所や鹿児島市立桜島中学校などの公共施設があります。町の北端には、鹿児島県道26号桜島港黒神線が海岸線沿いに東西に走っています。

自然

桜島藤野町の一部は、霧島錦江湾国立公園に指定されており、自然保護の観点からも重要な地域です。この国立公園内は、第1種特別地域（桜島北斜面）、第2種特別地域（桜島北及び東斜面）、第3種特別地域（桜島北及び東麓）の3つの区域に分かれています。豊かな自然環境が保全されており、貴重な動植物が生息しています。

歴史

古代から町村制施行まで

「藤野」という地名は、南北朝時代から確認されており、当時大隅国向島の一部でした。江戸時代には、大隅国大隅郡桜島郷に属し、「天保郷帳」には209石余、「旧高旧領取調帳」には304石余の村高が記録されています。元亀2年には、肝属氏、禰寝氏、伊東氏が鹿児島を攻撃した際に、この地に陣地が置かれたと伝えられています。1887年、大隅郡が南北に分割され、藤野村は北[[大隅郡]]に所属しました。

町村制施行以後

1889年の町村制施行に伴い、桜島の西半分を構成する村々が合併し、北[[大隅郡]]西桜島村が成立しました。これに伴い、藤野村は西桜島村の大字「藤野」となりました。1897年には、北[[大隅郡]]が鹿児島郡に統合され、西桜島村も鹿児島郡に所属することになりました。1914年の桜島大正大噴火により、村役場が溶岩に埋没したため、一時的に西道の民家に移転しました。その後、1916年に地内の字東原に村役場を再移転し、以降は桜島町の中心地として機能しました。1973年には西桜島村が町制を施行し、桜島町となり、藤野は桜島町の大字となりました。2004年、桜島町は鹿児島市に編入され、合併協議に基づき、大字藤野は廃止され、新たに鹿児島市の町「桜島藤野町」が設置されました。

人口

2020年4月1日現在、桜島藤野町の人口は362人、世帯数は193世帯です。国勢調査による小地域集計が開始された1995年以降、人口は減少傾向にあります。

文化財

桜島藤野町には、市指定の文化財がいくつか存在します。

藤野の庚申塔：有形民俗文化財（民俗資料）として指定されています。
島津義弘蟄居跡：歴史的な史跡として指定されています。
藤崎家の大楊梅：天然記念物（植物）として指定されています。

施設

公共施設

鹿児島市役所桜島支所
鹿児島市消防局中央消防署桜島西分遣隊
桜島地区保健センター

教育施設

鹿児島市立桜島中学校

寺社

地方神社

交通

道路

鹿児島県道26号桜島港黒神線

路線バス

鹿児島市交通局（60番 桜島線）：藤野、浜平、桜島中学校前、桜島支所、海水浴場などを経由します。

湾港

桜島港：藤野地区には避難港（17番）があります。

脚注

本記事は、以下の資料を参考に作成されました。

「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県』角川書店, 1983年3月1日
南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』, 鹿児島市, 2015年3月27日

関連項目

藤野 (曖昧さ回避ページ)

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