梅思祖

梅思祖（ばい しそ）

梅思祖は、生年不詳ながら1382年に没した、元末から明初にかけての軍人です。本貫は帰徳府夏邑県にありました。

生涯

梅思祖は、初め元朝の義兵元帥として活動していましたが、後に反乱を起こし、劉福通に従いました。しかし、ココ・テムルによって父を殺害され、その遺体が塩漬けにされるという悲劇に見舞われます。その後、梅思祖は劉福通を見限り、張士誠に帰順し、その中書左丞として淮安を守備しました。

1366年、徐達率いる明軍が迫ると、梅思祖はこれに降伏し、4州を朱元璋に献上しました。この時、張士誠は梅思祖の兄弟数人を殺害しました。朱元璋は梅思祖を重用し、大都督府副使に抜擢しました。梅思祖は、朱元璋に従い、張士誠討伐に貢献し、昇山の水寨を攻略しました。また、湖州の攻略や平江の包囲にも功績を挙げ、張士誠の平定に大きく貢献しました。張士誠平定後、梅思祖は浙江行省右丞に転じました。

1368年、徐達に従って北伐に参加し、山東を攻略し、汴梁・洛陽を奪取、陝州を破り、潼関を攻略しました。その後、軍を返して河北を転戦し、衛輝に到着しました。元の平章である龍二が城を捨てて彰徳に逃れると、明軍は彰徳に進軍しました。龍二が彰徳を放棄して逃亡すると、彰徳城は明軍に降伏し、梅思祖がその守備を任されました。元の大都が明軍に攻略された後も、周辺の州県は明に降伏していませんでしたが、梅思祖は徐達に従って山西・河北を平定しました。

1369年、陝西攻略に参加し、別将として邠州を攻め落とし、元の参政である毛貴ら30人を捕らえました。また、徐達に従い、定西でココ・テムルを破る戦いにも参加しました。さらに南下して秦州から略陽を攻略し、沔州に入り、興元を奪取しました。

1370年、これらの功績により、梅思祖は汝南侯に封じられ、世襲の爵位を与えられました。1371年には、夏を攻撃する戦いに参加し、1372年には甘粛遠征に参加しました。京師に帰還後、山西・陝西・遼東の城池を巡視するよう命じられました。

1381年、四川の水尽源・通塔平・散毛の諸洞の長官が反乱を起こすと、梅思祖は征南副将として雲南軍を率い、周徳興とともに鎮圧に当たりました。1382年には、傅友徳とともに雲南を平定し、貴州都司が設置されると、都指揮使に就任しました。その後、雲南布政司事となり、平章の潘元明とともに雲南の守備を任されましたが、この年のうちに死去しました。彼の遺体は鍾山（明孝陵）の北側に葬られました。

梅思祖の息子である梅義は、後に遼東都指揮使となりましたが、1390年、梅思祖の生前の行為が、胡惟庸の党とされたために、一族は滅ぼされました。一方、梅思祖の甥である梅殷は、駙馬都尉となりました。

参考文献

* 『明史』巻131 列伝第19

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