森田朗

森田朗について

森田朗（もりた あきら）は、1951年4月22日生まれの日本の行政学者です。行政学と地方自治研究を専門とし、東京大学名誉教授および津田塾大学総合政策学部教授を務めています。兵庫県神戸市出身で、東京大学大学院法学政治学研究科教授、東京大学公共政策大学院教授、東京大学政策ビジョン研究センター長、東京大学総長特任補佐、学習院大学法学部政治学科教授など、数々の要職を歴任しました。また、東京大学公共政策大学院の初代院長や日本行政学会理事長も務めました。

研究分野と業績

森田教授は、行政学の中でも特に地方自治制度や行政組織、政策決定プロセスに関する研究に力を入れています。西尾勝に師事し、行政学の理論的枠組みを深く理解するとともに、現実の行政課題にも積極的に取り組んでいます。その研究成果は、数多くの著書や論文として発表されており、日本の行政学研究の発展に大きく貢献しています。

経歴

森田教授の主な経歴は以下の通りです。

1976年3月：東京大学法学部卒業
1976年4月：東京大学法学部助手
1980年：千葉大学人文学部講師
1981年4月：千葉大学法経学部助教授
1993年10月：千葉大学法経学部教授
1994年4月：東京大学大学院法学政治学研究科教授
2004年4月：東京大学公共政策大学院院長・教授
2005年: 東京大学総長特任補佐(2009年3月まで)
2008年：東京大学政策ビジョン研究センター長(2010年7月まで)
2010年4月：東京大学大学院法学政治学研究科教授・公共政策大学院教授併任
2010年8月：東京大学政策ビジョン研究センター学術顧問
2011年：厚生労働省中央社会保険医療協議会会長
2012年4月：学習院大学法学部政治学科教授(2014年3月まで)、東京大学政策ビジョン研究センター特任教授
2014年4月 - 2017年3月：国立社会保障・人口問題研究所所長
2015年4月：財務省関税・外国為替等審議会会長
2017年4月：津田塾大学総合政策学部教授
2019年4月：財務省関税・外国為替等審議会会長

社会活動

森田教授は、学術研究だけでなく、社会活動にも積極的に参加しています。2008年には再就職等監視委員会委員に指名されましたが、参議院の不同意により任命には至りませんでした。また、厚生労働省の中央社会保険医療協議会会長や財務省の関税・外国為替等審議会会長など、政府の審議会にも参加し、政策決定にも貢献しています。

主な著書

森田教授は、多くの著書を執筆しており、その研究成果を広く社会に発信しています。主な著書としては以下のようなものがあります。

『許認可行政と官僚制』（岩波書店, 1988年）
『現代の行政』（放送大学教育振興会, 1996年／改訂版, 2000年）
『歴史人口学の世界』（岩波書店, 1997年／岩波現代文庫版, 2012年）
『会議の政治学』（慈学社出版, 2006年）
『制度設計の行政学』（慈学社出版, 2007年）
『会議の政治学 Ⅱ』（慈学社出版，2015年）

また、編著や共編著も多数あり、行政学の分野で幅広い活動をしています。

『アジアの地方制度』（東京大学出版会, 1998年）
『分権時代の自治体職員(6)アカウンタビリティと自治体職員』（ぎょうせい, 1998年）
『行政学の基礎』（岩波書店, 1998年）
『シリーズ図説・地方分権と自治体改革(1)分権改革と自治体』（東京法令出版, 2000年）
『新しい自治体の設計（全6巻）』（有斐閣, 2003年-2004年）（大西隆・植田和弘・神野直彦・苅谷剛彦・大沢真理と共編著）
『住民投票が拓く自治――諸外国の制度と日本の現状』（公人社, 2003年）（村上順と共編著）
『政治空間の変容と政策革新(3)分権改革の動態』（東京大学出版会, 2008年）（田口一博・金井利之と共編著）

さらに、海外の行政学に関する書籍の翻訳も手掛けており、国際的な視点も取り入れた研究活動を行っています。

スティーヴン・R・リード『日本の政府間関係――都道府県の政策決定』（木鐸社, 1990年）
クリストファー・フッド『行政活動の理論』（岩波書店, 2000年）

門下生

森田教授は、多くの優秀な研究者を育成しており、その門下生には礒崎初仁や伊藤正次などがいます。これらの門下生も、行政学の分野で活躍しています。

関連事項

森田教授の研究に関連する事項としては、行政学者、日本の道州制論議などが挙げられます。

外部リンク

* 本人ページ

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