植苗駅

植苗駅

概要

植苗駅（うえなええき）は、北海道苫小牧市字植苗に位置する、北海道旅客鉄道（JR北海道）千歳線の鉄道駅です。駅には「H16」の駅番号が付与されており、電報略号は「ウナ」と定められています。現在は無人駅として運営されており、簡易Kitaca改札機が設置されています。

歴史

当駅の歴史は、大正15年（1926年）8月21日に、当時の北海道鉄道（2代目）によって札幌線上に開設された貨物駅として始まりました。開業当初は貨物輸送に特化した駅でした。

太平洋戦争中の昭和18年（1943年）8月1日、戦時買収により北海道鉄道が国有化されたことに伴い、鉄道省（後に日本国有鉄道、国鉄）の千歳線の駅となり、この時に一般駅へと昇格しました。さらに昭和20年（1945年）12月25日からは、貨物輸送に加えて荷物の取り扱いも開始されています。

しかし、貨物輸送の形態の変化により、昭和35年（1960年）8月1日には貨物取り扱いが廃止されました。その後、千歳線の輸送力増強が進められ、線路の複線化工事が行われます。昭和43年（1968年）8月23日には美々駅方面、翌昭和44年（1969年）9月25日には沼ノ端駅方面の複線化がそれぞれ完了し、供用が開始されました。

昭和55年（1980年）5月15日には、荷物の取り扱いも終了し、これと同時に駅は無人化され、簡易委託駅となりました。この頃、具体的には昭和54年（1979年）6月から昭和56年（1981年）10月にかけて、駅舎の改築と旅客の安全確保のための跨線橋の設置が行われています。簡易委託による営業は昭和59年（1984年）3月31日をもって終了し、完全な無人駅となりました。

昭和62年（1987年）4月1日、国鉄の分割民営化により、植苗駅はJR北海道の駅として継承されました。平成16年（2004年）4月には、より長い編成の列車に対応できるようホームの延伸工事が実施され、これにより定期列車において行われていたドアカット（一部車両のドアを開けない措置）が廃止されました。そして平成20年（2008年）10月25日からは、ICカード「Kitaca」が利用できるようになりました。

駅名の由来

駅名の「植苗」は、所在地である地名に由来しています。この地名は、アイヌ語の「ウェンナイ（wen-nay）」が転訛したものとされています。「ウェン」は「悪い」や「曲がった」、「ナイ」は「川」を意味しており、航行が困難であったり、氾濫を繰り返したりするような川があった場所に付けられた地名と考えられています。

駅構造

現在の植苗駅は、単式ホーム2面2線を有する地上駅の構造となっています。かつて複線化が完成する前は、島式ホーム1面2線でした。その後、複線化の過程で駅舎の反対側に単式ホームが増設され、一時的に単式・島式を組み合わせた2面3線の形態となりましたが、島式ホームの駅裏側の線路が廃止された結果、現在の単式ホーム2面2線という形に落ち着いています。駅舎は下りホーム側に位置しており、上下線のホーム間は跨線橋によって連絡されています。苫小牧駅が管理する無人駅であり、ホーム上には簡易式のKitaca対応改札機が設置されています。駅舎内には旅客用の便所が整備されています。

駅周辺

駅の周辺には植苗の集落が広がっており、地域住民の生活圏の中心となっています。駅の近くを主要幹線道路である国道36号線が通っており、交通の便も比較的良い地域です。また、ラムサール条約登録湿地として知られるウトナイ湖も比較的近くに位置しており、自然豊かな環境です。

周辺の主な施設としては、医療機関である植苗病院や、社台グループが運営する馬の専門病院である社台ホースクリニックがあります。教育機関としては、苫小牧市立植苗小中学校が近くにあります。駅前には道南バスの「植苗駅通」停留所が設置されており、千歳空港方面へのバス路線が利用可能です。また、近隣にはJR室蘭本線の遠浅駅も存在します。

隣の駅

JR北海道 千歳線
* 沼ノ端駅 (H17) - 植苗駅 (H16) - （美々信号場） - 南千歳駅 (H14)

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