極楽寺 (鳴門市)

極楽寺（ごくらくじ）

徳島県鳴門市に位置する極楽寺は、高野山真言宗に属する寺院で、日照山無量寿院としても知られています。この寺の本尊は阿弥陀如来であり、四国八十八箇所の第二番札所に指定されています。また、阿波西国三十三観音霊場第21番札所や、阿波北嶺薬師霊場第11番札所としてもの役割を果たしており、日本遺産の第15番に認定されています。

本尊と真言

極楽寺の本尊に関わる真言は「おん あみりた ていぜい からうん」であり、信者たちの信仰を集めています。また、お寺では「極楽の弥陀の浄土へ行きたくば 南無阿弥陀仏口ぐせにせよ」という詠歌も存在します。

歴史

寺の伝承によれば、極楽寺は奈良時代（710年 - 784年）に行基によって開かれたとされています。その後、弘仁6年（815年）には空海（弘法大師）が本堂の地で21日間の修法を行い、阿弥陀経を唱えました。この修法の満願日に阿弥陀如来の姿を感得し、それを刻んで本尊としたのが極楽寺の始まりと言われています。この際、阿弥陀如来からの光が遠く鳴門にまで達し、漁民たちが困るほどであったため、本堂の前に山を築いてその光をさえぎったという故事から「日照山」と称されるようになったのです。

空海が阿弥陀経を唱えた際には、難波の女性が安産できたことから、彼女が空海の加持に感謝して木造大師像を寄進しました。この像は後に大師堂の本尊となります。また、明治時代には大阪に住んでいた女性が安産祈願を行い、無事に男の子を出産したお礼として修行大師像を寄進しました。このように、極楽寺は特に子授けや安産の祈願で知られ、多くの信者が訪れます。

長宗我部元親によって天正10年（1582年）に焼失しましたが、万治2年（1659年）には徳島藩主の蜂須賀光隆により再建されました。そして、現在では多くの人々に親しまれる寺院として存在しています。

境内の構成

極楽寺の境内には、様々な建物と供養の対象が点在しています。主要な建物は以下の通りです：

• - 山門（仁王門）: 入母屋造の楼門で、金剛力士像が安置されています。
• - 本堂: 江戸時代初期、万治2年（1659年）に建立され、阿弥陀如来坐像や薬師如来も同じく安置されています。
• - 大師堂: 安産大師として信仰され、同じく万治2年に建立されました。
• - 観音堂: 江戸時代中期に造られた千手観音像を祀っています。
• - 薬師堂: 薬師如来立像を本尊とする、江戸時代末期に建立された堂です。
• - 抱き地蔵: 通称「おもかるさん」と呼ばれ、願いが叶うと伝えられています。
• - 長命杉: 空海が手植えしたとされる樹齢約1,200年の杉で、鳴門市の天然記念物に指定されています。

境内には美しい日本庭園もあり、訪れる人々が心を癒すスポットとなっています。また、歴史のある文化財も多く、重要文化財として木造阿弥陀如来坐像や、絹本著色両界曼陀羅図などが指定されています。

アクセス

極楽寺へのアクセスは、四国旅客鉄道（JR四国）高徳線の阿波川端駅から1.1キロメートル、または板東駅から1.5キロメートルです。徳島バスを利用する場合は鳴門大麻線「二番札所前」で下車し、徒歩でアクセスできます。自動車の場合は、高松自動車道の板野ICから2.3キロメートル、徳島自動車道の藍住ICからは5.1キロメートルです。

宿坊・ビジネス情報

寺院内には宿坊があり、最大150名が宿泊可能で、事前予約が必要です。駐車場も完備しており、普通車40台、バス10台が収容可能です。訪れる際には、事前の確認、準備が推奨されます。

このように、極楽寺は歴史、信仰、文化が融合した特別な場所であり、訪れることで精神的な充足感も得られることでしょう。

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