樺山可也

樺山可也（かばやま かなり）

樺山可也は、1876年（明治9年）10月14日に鹿児島県で生まれ、1932年（昭和7年）10月27日に亡くなった日本の海軍軍人であり、政治家でもありました。最終階級は海軍少将で、退役後は鹿児島市長を務めました。また、フィギュアスケート選手である八木沼純子の曾祖父としても知られています。

生い立ちと海軍入隊

樺山可也は、鹿児島県薩摩郡藺牟田村（現在の薩摩川内市祁答院町藺牟田）で、医者の次男として生まれました。1877年、父が西南戦争で西郷軍の軍医として出征し戦死したため、可也は貧しい少年時代を送りました。教科書を買うお金がなかったため、友人から借りて書き写して勉強したというエピソードが残っています。このような苦労をしながらも、彼は勉学に励み、1898年12月に海軍兵学校（26期）を卒業しました。

1900年1月に海軍少尉に任官した樺山は、「大和」航海長などを経て、日露戦争では「和泉」分隊長として出征し、同砲術長を務めました。その後も「日進」砲術長、海兵教官、「石見」砲術長などを歴任し、1910年11月には海軍大学校（甲種8期）を首席で卒業しました。この頃から、彼の卓越した才能が発揮され始めました。

海軍将校としての活躍

海軍大学校卒業後、樺山は「肥前」「鞍馬」の各砲術長、第2艦隊参謀、軍令部参謀、アメリカ駐在、カナダ駐在、「鹿島」副長、第3艦隊参謀、軍令部参謀（第2班第4課長）などの要職を歴任しました。1917年12月には海軍大佐に進級し、その後も「周防」艦長、海大教官、「生駒」「長門」の各艦長、横須賀防備隊司令などを務めました。1922年12月には海軍少将に昇進しました。

樺山は、海軍砲術学校長、第1艦隊参謀長、呉鎮守府付、同参謀長、軍令部出仕などを経て、1925年12月に予備役に編入されました。長年にわたり、日本海軍の発展に大きく貢献しました。

鹿児島市長として

予備役編入後、樺山は1929年7月から亡くなるまで鹿児島市長を務めました。軍人としての経験と知識を活かし、市政に尽力しました。彼の市長としての活動は、地元の人々に大きな影響を与えました。

人物と栄典

樺山の住所は東京麻布三河台町にありました。彼はその功績により、数々の位階と勲章を授与されています。

位階
1900年（明治33年）2月20日 - 正八位
1901年（明治34年）12月17日 - 従七位
1903年（明治36年）12月19日 - 正七位
1908年（明治41年）12月11日 - 従六位
1914年（大正3年）1月30日 - 正六位
1918年（大正7年）1月30日 - 従五位
1922年（大正11年）12月28日 - 正五位
1925年（大正14年）12月28日 - 従四位

勲章
1912年（明治45年）5月24日 - 勲四等瑞宝章
1915年（大正4年）11月7日 - 勲三等旭日中綬章・大正三四年従軍記章
1925年（大正14年）1月27日 - 勲二等瑞宝章

家族

樺山可也の家族構成は以下の通りです。

父：健助（医者、西南の役軍医）
兄：武熊（小学校校長）
甥：研吉（鹿児島士族）
妻：ムメ（鹿児島士族・森長保の三女）
男：資英（外交官）

特に息子である資英は、東京帝国大学法学部に進学後、外務省に入省し、外交官として活躍しました。また、資英の娘の孫にあたるのが、フィギュアスケート選手の八木沼純子です。樺山家は、各方面で活躍する人材を輩出した家系であったと言えるでしょう。

まとめ

樺山可也は、明治から昭和にかけての激動の時代を、海軍軍人、政治家として活躍した人物です。貧しい少年時代を乗り越え、海軍大学校を首席で卒業するなど、その才能を発揮しました。また、鹿児島市長としてもその手腕を発揮し、地域に貢献しました。彼の人生は、困難に立ち向かい、自己の能力を最大限に活かすことの大切さを教えてくれます。

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