橋本駅 (和歌山県)

橋本駅：和歌山線と高野線の要衝

橋本駅は、和歌山県橋本市古佐田に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）和歌山線と南海電気鉄道高野線の接続駅です。標高92mにあり、両路線の全列車が停車する橋本市を代表する駅として、重要な役割を担っています。

歴史：明治期からの軌跡

橋本駅の歴史は古く、1898年（明治31年）の紀和鉄道開業時に終着駅として誕生しました。その後、路線延伸や鉄道会社の合併・国有化を経て、JRと南海電鉄の共同使用駅となりました。1945年（昭和20年）には、米軍機の空襲を受け、駅舎やホームに被害が出たという悲しい歴史も刻まれています。近年では、2011年のバリアフリー化工事による橋上駅舎の完成や、ICOCA・PiTaPaの導入など、現代的な改修も進んでいます。

1900年には粉河駅まで延伸され、和歌山駅（現在の紀和駅）と直結しました。以降、関西鉄道、帝国鉄道庁を経て、国有化。1915年には高野登山鉄道（後の南海電気鉄道）が乗り入れ、共同使用駅となりました。南海高野線は1924年に学文路駅まで延伸され、橋本駅はますます重要な拠点へと発展していきました。国鉄分割民営化（1987年）を経て、現在のJR西日本と南海電気鉄道の駅となりました。

駅構造：JRと南海の連携

橋本駅は、JR和歌山線ホーム（1～3番線）と南海高野線ホーム（4・5番線）で構成されています。各ホームは橋上駅舎と跨線橋で連絡しており、乗換の利便性を高めています。かつては改札を出ずに乗り換えが可能でしたが、2011年の改良工事でJRと南海それぞれの改札口が設置されました。バリアフリー化工事も完了し、エレベーターや多機能トイレが設置され、高齢者や障がいのある方にも利用しやすい環境が整えられています。しかし、跨線橋は南海の留置線を跨いで駅北側までは達しておらず、駅北側から利用するにはJR駅舎のある南側まで迂回する必要があります。

JR側は和歌山駅が管理する直営駅で、地区駅長が配置されています。一方、南海側は紀見峠駅～高野下駅間の管理を担っています。南海では、PiTaPaやICOCAが利用可能です。JRでも2020年からICOCAが利用できるようになりました。

利用状況：活気あふれる駅

橋本駅は、橋本市の中心部に位置し、多くの利用客で賑わっています。JRと南海それぞれの利用状況は年々変動していますが、近年は南海電鉄の利用者数の方が多い傾向にあります。駅周辺には、市役所などの官公庁や商業施設が集中しており、地域の経済活動の中心地としての役割も担っています。

駅周辺：橋本市の中心地

橋本駅周辺は、橋本市の中心市街地です。市役所などの公共施設のほか、商業施設、住宅などが密集しています。国道24号沿いに多くの施設が集中しているのが特徴です。駅前には南海りんかんバスや橋本市コミュニティバスが発着し、周辺地域へのアクセスも良好です。また、「まことちゃん」の像など、ユニークなモニュメントもあります。JRの長距離乗車券では、神奈川県の橋本駅と区別するため「（和）橋本」と表記されます。

その他：歴史と文化

橋本駅は、その歴史の中で様々な出来事を経験してきました。空襲被害の際の弾痕を保存する取り組みや、真田丸にちなんだ甲冑の展示、盗難事件など、様々な出来事が駅の歴史に彩りを添えています。鉄道唱歌にも登場するなど、地元の人々にとって特別な存在と言えるでしょう。

隣の駅

JR和歌山線: 下兵庫駅 - 橋本駅 - 紀伊山田駅
南海高野線: 御幸辻駅 - 橋本駅 - 紀伊清水駅

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