橘家圓平

橘家 圓平（たちばなや えんぺい）

橘家圓平は、日本の落語家として知られ、その独特なスタイルで多くの人々に愛されました。1931年4月7日、東京都大田区大森に生まれ、本名は阿部雄厚です。彼は、落語協会に所属し、出囃子は『すててこ』であり、紋は『三ツ組橘』です。家庭では、妻である松旭斎菊代はマジシャンとして活躍しており、芸の世界を求める家庭の雰囲気が伺えます。

来歴

橘家圓平は1953年に、七代目橘家圓蔵に入門したことから彼の落語家としてのキャリアが始まります。この時、彼は「若蔵」という名前で活動をスタートさせました。しかし、可哀想なことに、彼は結核にかかり、1955年には病気のために活動を一時休止することになりました。それでも、彼は同年春に復帰し、彼の名声は確実に高まっていきました。

昇進過程においては、1958年11月に二ツ目となり、その際に「立花家橘松」と改名しました。この改名の背景には、彼が自身のスタイルを確立するための努力があったと言われています。そして1973年には真打の地位に昇進し、その時「橘家圓平」と名を改めました。彼の名前は、この時から広く知られるようになりました。2020年10月28日、急性腎不全により89歳で逝去しました。

芸歴

橘家圓平の演芸活動は、彼の入門年から始まります。1955年に前座名「若蔵」で活動を開始し、1958年に二ツ目となり「橘松」に改名しました。その後、1973年の真打昇進によって、彼は「橘家圓平」として本格的に活動を展開していきます。彼の演目は多岐にわたり、特に著名なものとしては「浮世床」「強情灸」「長命」「堪忍袋」「芝浜」「井戸の茶碗」などが挙げられます。

興味深い点として、三代目雷門小助六は高校生の頃に圓平の「ぞろぞろ」に感銘を受け、その後、圓平から直接稽古を受けるなど、彼の演技が多くの後輩に影響を与えていることが伺えます。

活動

橘家圓平は古典落語のみならず、寄席踊りの才能も発揮していました。彼は演目が終わった後に、寄席の踊りを一つあるいは二つ披露しており、観客を楽しませる技術に長けていました。特に、浅草演芸ホールで毎年行われる住吉踊り連に所属しており、彼の多才な才能は、落語だけでなく、幅広い芸の世界に対する理解を深める手助けとなったと言えるでしょう。

彼の人生は、ひたむきに芸を極めようとする姿勢と、周囲の人々に愛されるキャラクターが交錯するものでした。肌で感じた笑いや涙は、数多くの彼の寄席や演目を通じて、今でも観客の心に残り続けているといえるでしょう。

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