武元皇后 (前趙)

武元皇后（ぶげんこうごう、生年不詳 - 312年）は、前趙の昭武帝・劉聡（りゅうそう）の最初の皇后であり、匈奴の名門である呼延（こえん）氏の出身です。

生涯

彼女は、光文帝・劉淵（りゅうえん、劉聡の父）の皇后であった呼延氏の従妹にあたります。その美貌は広く知られており、皇后呼延氏の取り計らいによって劉聡に嫁ぎ、正室となりました。劉聡との間には、後に隠帝となる劉粲（りゅうさん）を産んでいます。

河瑞2年（310年）、劉聡が皇帝として即位すると、彼女は皇后に立てられました。しかし、同年、劉聡は絶世の美女と謳われた継母（太后単氏）と結婚し、劉乂（りゅうがい、太后単氏の息子）を皇太弟に封じました。漢文化に深く影響を受けていた劉乂は、実の母である太后単氏を非難したため、太后は悲憤のうちに亡くなりました。その後、呼延皇后は劉聡に対し、「劉乂が即位すれば、劉粲の命が危うくなるでしょう」と進言し、劉聡と劉乂の関係を悪化させたとされています。皇位継承をめぐる争いに深く関与し、自身の息子の地位を守ろうとしたと考えられます。

嘉平2年（312年）に崩御し、元と諡（おくりな）されました。

子

劉粲（りゅうさん）：後の隠帝。

登場作品

ドラマ「花ざかりの君たちへ For You In Full Blossom」(2012年) - 演:未定

参考文献

『晋書』劉聡載記
『資治通鑑』
* 『十六国春秋』

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