武周 (三国)

武周（ぶ しゅう、生没年不詳）は、後漢末期から三国時代の魏に仕えた政治家で、字は伯南（はくなん）と称しました。彼は豫州沛郡竹邑県（現在の安徽省宿州市一帯）の出身です。

生涯において、武周は下邳県令（かひけんれい）を務めていた際、臧覇（ぞうは）から深く尊敬されていました。臧覇自らが武周の宿舎を訪れるほどであったと伝えられています。その後、武周は揚州の前線、合肥（がっぴ）を守る張遼（ちょうりょう）の護軍（ごぐん）となりましたが、ある時、張遼と意見の衝突を起こしてしまいます。

張遼は武周の後任として、温恢（おんき）の下で治中（じちゅう）を務めていた胡質（こしつ）を望みました。しかし、胡質は「武周は正しい人物です。将軍は以前、彼のことを尊敬し、褒め称えていましたが、今は些細なことで仲違いされています。私のような未熟な者が将軍とうまくやっていけるとは思えません」と断りました。この言葉に感銘を受けた張遼は、再び武周との関係を修復したとされています。

その後、武周は光禄大夫（こうろくたいふ）にまで昇進しました。

子孫について

武周には三人の息子がおり、彼らは幼少の頃から才能に恵まれ、郷里で評判となっていました。武周は同郡出身の劉公栄（りゅうこうえい）に息子たちの人物鑑定を依頼しました。劉公栄は息子たちとそれぞれ面会し、「武陔（ぶがい）は宰相の器であり、他の弟たちも高官になるだろう」と予言しました。

予言通り、武陔は三公（さんこう）の一歩手前まで昇進しましたが、魏が禅譲により晋（しん）となると、積極的に職務を履行しなくなり、清廉潔白なまま亡くなったため、当時の美談となりました。武陔については、『晋書（しんじょ）』に伝記が立てられています。

武韶（ぶしょう）・武茂（ぶも）もそれぞれ晋の高官となりました。しかし、武茂の母が楊駿（ようしゅん）の縁者であったことから、八王の乱（はちおうのらん）により楊駿が誅殺されると、その一族として処刑されてしまいます。その死は冤罪として悼まれました。

三国志演義について

小説『三国志演義（さんごくしえんぎ）』には、武周は登場しません。

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