武生鳥守

武生 鳥守についての解説

武生 鳥守（たけふ の とりもり）は、奈良時代の官人であり、主に渤海との外交に従事したことが知られています。彼の頭衝は、古代日本の官僚制度や外交関係の中で重要な役割を果たしたことを示しています。鳥守は、氏姓が最初は馬毘登であったが、後に武生連に改姓されたことが記録されています。

経歴の変遷

鳥守の名前が公式に記録に残るのは、称徳天皇の治世にあたる天平神護元年（765年）で、この年に彼が馬毘登から武生連に改姓したことが記録されています。この改姓は、同じく改姓した馬国人や馬益人ら44人と共に行われたことから、彼の経歴における重要なポイントとされています。

その後、光仁天皇の時代、宝亀3年（772年）には渤海への外交使節である送渤海客使に任命されました。彼は渤海使の壱万福らと共に、日本からの出航を果たしますが、その航海は暴風によって妨げられ、最終的に能登国に漂着する事態となりました。幸運にも生き延びた一行は、朝廷から福良津（現在の石川県羽咋郡志賀町福浦）に停泊するよう指示を受けました。その後、再び壱万福の送渤海客使としての職務を遂行し、宝亀4年（773年）10月には無事に帰国しています。

帰国した際、鳥守の位階は正六位上であり、彼の外交任務が果たした意義を物語っています。

官歴の詳細

彼の官歴は『続日本紀』に記録されています。具体的な経歴をまとめると以下の通りです：

• - 天平神護元年（765年）12月5日：馬毘登から武生連に改姓。
• - 宝亀3年（772年）7月20日：送渤海客使に任命。
• - 宝亀4年（773年）10月13日：正六位上に昇進。
• - 天応元年（781年）4月15日：外従五位下に昇叙。

このような官歴は、鳥守が多くの重要な職務を遂行し、昇進を果たしてきたことを示しており、彼の人生における重要な足跡を示しています。

参考文献と関連項目

鳥守に関する詳細な情報は、『続日本紀』シリーズや、宇治谷孟による講談社学術文庫版などの文献で確認することができます。これらの文献は、奈良時代の歴史や官人の役割についての貴重な情報源となっています。また、関連項目として馬夷麻呂なども挙げられ、彼の時代の他の重要な人物を知る手がかりとなります。

武生 鳥守の生涯は、当時の日本が如何にして他国と外交を行っていたか、またその官人たちがどのように国を支えていたのかを示す重要な歴史的な事例であり、研究の対象としても興味深いものとなっています。

もう一度検索