歩兵第18連隊

歩兵第18連隊の歴史

歩兵第18連隊は、大日本帝国陸軍の連隊の一つであり、その歴史は明治時代にまで遡ります。

創設と初期

1884年（明治17年）、名古屋にて第1から第3大隊が設置され、連隊の基礎が築かれました。その後、1886年（明治19年）までに愛知県豊橋市に移駐しました。同年8月15日には、連隊にとって重要な軍旗を授与されました。1888年（明治21年）5月には、第3師団が創設され、その隷下部隊となりました。

日清戦争と日露戦争

1894年（明治27年）からの日清戦争に動員され、翌1895年（明治28年）6月27日に凱旋しました。その後、1904年（明治37年）には日露戦争にも従軍し、激戦を経験しました。

所属変更と満州駐屯

1907年（明治40年）に第3師団から第15師団に所属が変更されましたが、1925年（大正14年）の宇垣軍縮により第15師団が廃止されたため、再び第3師団に復帰しました。1927年（昭和2年）11月21日には、昭和天皇が名古屋市周辺で行われた陸軍特別大演習に行幸され、連隊を視察されました。1928年（昭和3年）5月には済南事件に出動し、天津に駐屯しました。1933年（昭和8年）2月には熱河作戦に参加し、1934年（昭和9年）から満州に駐屯しました。1936年（昭和11年）に帰還しました。

日中戦争と太平洋戦争

1937年（昭和12年）8月に動員下令を受け、上海に上陸後、南京攻略戦に参加しました。その後、1938年（昭和13年）には漢口作戦、1939年（昭和14年）には贛湘作戦、1940年（昭和15年）には宜昌作戦、長沙作戦、漢水作戦に参加しました。1942年（昭和17年）7月には第3師団から第29師団に所属が変更され、奉天省海城に駐屯しました。

1944年（昭和19年）2月に再び動員下令を受け、3月にはテニアン島への進駐を命じられました。しかし、移動中にアメリカ海軍の潜水艦トラウトによる魚雷攻撃を受け、輸送船崎戸丸が沈没し、門間連隊長以下1,657名が戦死、570名が重傷を負うという大損害を被りました。それでも、約1,800名がサイパン島に上陸し、再編成を行いました。5月には、第2大隊と第3大隊がグアム島に移駐しましたが、第1大隊、第3迫撃砲中隊、衛生隊はサイパン島に米軍が上陸したため、移駐に間に合わず現地で戦闘に参加し、壊滅しました。

7月21日、アメリカ軍がグアム島に上陸（グアムの戦い）を開始しました。連隊主力はマンガン山に位置していましたが、各中隊は上陸地点の要所に配置され、激戦を繰り広げました。7月25日には師団長の許可を得て軍旗を奉焼し、その後の夜間戦闘で連隊長を含む大部分が戦死しました。この戦いで、連隊は壊滅的な打撃を受けました。

関連人物・場所

歩兵第18連隊は、豊橋公園にその跡地が残されており、当時の面影を偲ぶことができます。また、大場栄は、歩兵第18連隊の衛生隊長として知られています。

まとめ

歩兵第18連隊は、日清戦争から太平洋戦争まで、数々の戦いに参加した歴史を持つ連隊です。特に太平洋戦争末期のサイパン島やグアム島での戦いでは、多くの犠牲者を出し、連隊としての機能を失いました。この連隊の歴史は、日本の軍事史を語る上で重要な一部であり、後世に語り継がれるべき教訓を含んでいます。

参考文献

『官報』
大本営『復員及解散報告綴』明治自28年5月　至29年3月（1894年5月から1895年3月まで）。アジア歴史資料センターで閲覧。
『日本陸軍連隊総覧 歩兵編(別冊歴史読本)』新人物往来社、1990年。
原剛『明治期国土防衛史』錦正社、2002年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
防衛庁防衛研修所戦史室『中部太平洋陸軍作戦（1）マリアナ玉砕まで』朝雲新聞社〈戦史叢書〉、1967年。

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