民主共和党 (韓国)

民主共和党（みんしゅきょうわとう）

民主共和党は、1963年から1979年まで大韓民国の第三共和国及び第四共和国において存在していた政党である。この政党は朴正煕大統領の与党として、軍事独裁の一端を担い、朴大統領の暗殺によってその歴史に幕を閉じた。略称は「共和党」（公文の表記：공화당 コンファダン）である。旧民主共和党の下に残された勢力は全斗煥による軍事政権時代に民主正義党を結成した。

創設背景と結党

1961年5月に発生した軍事クーデターによって、韓国の政権を掌握した軍部勢力は、軍政から民政への移行が進められる中で、政権維持のために政党を創設する必要があった。この背景のもと、初代韓国中央情報部（KCIA）長である金鍾泌を中心に結党準備が進められ、5・16軍事革命の理念を引き継ぎ、1963年2月26日に民主共和党が正式に結成された。党の結党大会では、鄭求瑛が総裁に選出された。

その後、朴正煕は党に参加し、1963年10月の第6代大統領選挙に立候補し、勝利を収めた。彼の圧勝によって党は第三共和国における与党としての地位を確立し、次第に政権を強固にしていった。

政策と権力維持

議員や党幹部の粛清が相次いだ当時、主流派の金鍾泌と反金鍾泌系非主流派の間で勢力争いが繰り広げられた。1969年には憲法改正により朴正煕の三選を可能にしたものの、その後の選挙での人気が徐々に下降していった。

1971年の大統領選挙では新民党の候補に接近され、党は存続の危機に陥る場面もあった。1970年代中盤、朴正煕の自己クーデターとして知られる10月維新により、政権はさらに強化されたが、同時に党の優位性が薄れることにもなった。すでに新たに結成された維新政友会が与党に名乗りを上げ、党の影響力は相対的に低下した。

衰退と消滅

朴正煕大統領が1979年に暗殺された後、金鍾泌が党の総裁に就任したが、同年末に発生した粛軍クーデターによって、遂には党は解散を余儀なくされた。この出来事により、組織としての機能を失った民主共和党は、韓国の政治史において重要な転換点となった。全斗煥政権下では、旧共和党のメンバーが韓国国民党を結成したものの、党の活動は大きく制約を受け、影響力を失っていった。

結論

このように、民主共和党は軍事体制の中で一時的に権力を享受したものの、最終的には内部分裂や外部の圧力によって消滅する運命を辿った。その歴史は韓国における政治的変遷を理解する上で欠かせない重要な要素となっており、今後の政治史にも影響を与える事例と言える。

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