水戸黄門 (1960年の映画)

東映オールスター映画『水戸黄門』：1960年の時代劇娯楽大作

1960年8月7日、東映京都撮影所製作、東映配給により公開された『東映オールスター映画 水戸黄門』は、月形龍之介主演による人気シリーズの第13作目にあたる作品です。カラー作品で、東映スコープ（2.35:1）のワイドスクリーン、Westrex RECORDING SYSTEMによる録音、映倫番号は11878、上映時間は94分という情報が残されています。

この映画は、単独作品としての魅力だけでなく、当時の興行状況を知る上で貴重なデータを提供しています。同時上映作品としてアニメーション映画『西遊記』が選ばれ、両作品によるプログラム全体の配収額は2億6694万円を記録、1960年度邦画配収ランキングで堂々の第7位を獲得しました。これは、当時の観客動員数や映画人気を反映しており、時代劇とアニメーションという異色の組み合わせが、多くの観客を劇場に呼び込んだことを示しています。

華麗なるキャストとスタッフ陣

本作は、豪華な出演者陣を擁している点も大きな特徴です。タイトルバックに基づく配役は以下の通りです。

水戸光圀：月形龍之介
佐々木助三郎：東千代之介
渥美格之進：中村賀津雄（中村嘉葎雄）
放駒の四郎吉（火消しの元締め）：中村錦之助（萬屋錦之介）
水戸中将綱條：大川橋蔵
井戸甚左ヱ門（浪人）：大友柳太朗
お光（四郎吉のいとこ）：丘さとみ
糸路（村尾の妹）：桜町弘子
継の方（綱條の妻）：大川恵子
将軍綱吉：伏見扇太郎
中山備前守：黒川弥太郎
治兵衛（長屋の大家）：千秋実
金井将監：山形勲
岸屋信右ヱ門：薄田研二
大原康之助＝柳原大納言資廉：片岡千恵蔵
紀伊大納言光貞：市川右太衛門

錚々たる顔ぶれが勢揃いしており、それぞれの俳優の個性が光る演技は、作品全体の質を高めています。

監督は松田定次。その他スタッフも、

製作：大川博
企画：坪井與、辻野公晴、中村有隣
脚本：小国英雄
撮影：川崎新太郎
照明：山根秀一
録音：東城絹児郎
美術：川島泰三
音楽：富永三郎
編集：河合勝巳
記録：石田照
装置：松井三郎
装飾：秋田実
美粧：林政信
結髪：桜井文子
衣裳：三上剛
擬斗：足立伶二郎
* 進行主任：渡部健作

といった、当時の映画界を支えたベテランスタッフによって構成されています。彼らの技量と経験が、作品に深みを与えていると言えるでしょう。

デジタル配信と作品へのアクセス

現代においても、『東映オールスター映画 水戸黄門』へのアクセスは可能です。東映時代劇YouTubeチャンネルでは、2023年11月3日16時（JST）から11月19日23時59分（JST）まで期間限定で配信されました。この配信により、現代の視聴者も、この歴史的作品を鑑賞することができました。

また、国立映画アーカイブ、allcinema、KINENOTE、日本映画データベースなど、様々な媒体で作品の情報を確認することができます。これらの情報源を通じて、本作の歴史的・文化的意義を改めて認識することができるでしょう。

『東映オールスター映画 水戸黄門』は、豪華キャスト、スタッフ、そして興行的な成功によって、1960年代の日本映画史に大きな足跡を残した作品と言えるでしょう。

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