池田正之輔

池田 正之輔について

池田正之輔（いけだ まさのすけ）は、1898年1月28日に山形県飽海郡観音寺村（現在の酒田市観音寺）で生まれ、1986年3月27日に腎不全により東京都で亡くなった、日本の著名な政治家です。彼は衆議院議員を10期務め、第9代科学技術庁長官としても知られています。また、社団法人内外事情研究所の理事長としても活躍しました。

学歴とキャリアの始まり

池田は1922年に日本大学新聞を創刊。この後、1926年に日本大学政治学科を卒業し、読売新聞の記者としてキャリアをスタートさせました。その後、論説委員を経て、三木武吉と関わりを持ち、報知新聞に入社。常務等の役職を歴任した後、同盟通信社の理事に就任しました。

戦後の政治活動

1942年、池田は翼賛選挙において非推薦候補として初当選。戦争の終わり近くには護国同志会に参加し、戦後はそのメンバーと共に日本協同党の結成に加わりました。1949年には日本自由党公認で総選挙に当選し、三木武吉が公職追放を解除されてからは、彼と鳩山一郎グループと共に活動しました。1954年、日本民主党の副幹事長に就任し、後の自由民主党の保守合同に参加しました。

科学技術庁長官としての実績

1960年には第2次池田内閣の科学技術庁長官兼原子力委員長として入閣し、技術政策の推進に寄与しました。しかし、1968年に発覚した日通事件により、受託収賄罪で在宅起訴され、1977年には懲役1年6ヶ月・追徴金300万円の実刑判決が確定しました。病気により服役は免れたものの、これによって政界から引退しました。

日中貿易への貢献

池田は日中国交正常化以前から中国との貿易交渉に尽力し、1953年以降通商団長として数回中国を訪問しました。1958年には第4次通商協定を結ぶなど、日中貿易における重要な実績を持っていました。

地元への貢献

また、彼は地元庄内の発展にも貢献し、酒田北港の開発や国道、圃場の整備、土地改良事業の促進に尽力しました。その業績を讃えて、1977年には郷里・芹田の光浄寺境内に彼の銅像が建立されました。

人物像と性格

池田は短躯でありながら強い気性を持っていたと言われています。彼の政治活動の中で、同僚と激しい喧嘩をすることも多く、その一例として、池田内閣の科学技術庁長官の頃、国会で荒木万寿夫文部大臣と口論となり、「馬鹿野郎」と呼ばれる場面がありました。また、田中角栄との間での激しい言い争いも彼の気性を示しています。

著書と叙位・叙勲

彼は多くの著書を残しており、その中には『中国民族の特性』『シナ民族性の解明』などが含まれます。1968年には勲一等・瑞宝章を受章し、その後勲章の返上を願い出ることもありました。

最後の時

池田は1986年に死去し、その生涯を通じて日本の政治に多大な影響を与えてきました。彼の名は今も政治史に刻まれています。

もう一度検索