法務局 (琉球政府)

法務局（ほうむきょく）

琉球政府において、司法関連行政を担った中心的な行政事務部局が法務局です。琉球政府の発足当初から存在し、その役割は多岐にわたりました。

所掌事務

法務局の所掌事務は、1972年5月14日以降、以下の通りです。

政府の利害に関係のある訴訟：主に琉球訴訟（琉球警察が扱う刑事事件）を担当しました。
戸籍、登記、供託及び住民登録：国民の身分関係や財産関係を記録・管理する重要な業務です。
アメリカ合衆国政府の土地使用に係る業務：軍基地の土地使用料や返還期限に関する業務を行いました。
行刑及び更生保護：刑務所や少年院の運営、犯罪者の社会復帰支援などを行いました。
人権の擁護：人権侵害の防止や救済に取り組みました。
検察庁の事務：検察官の活動をサポートしました。
出入域管理：人の出入国に関する手続きや管理を行いました。
土地調査及び測量：土地の正確な情報を把握するための調査や測量を実施しました。
その他法務に関すること：上記以外にも、法務全般に関する様々な業務を担当しました。

組織

法務局は、1972年5月14日現在、以下のような組織構成でした。

内部部局

局長直属：法務局全体の運営を統括します。
総務課：法務局の庶務や人事などを担当しました。
民事部：民事に関する業務を所管しました。
民事課：民事訴訟や契約に関する業務を担当しました。
土地業務課：土地に関する登記や測量などを担当しました。
刑事部：刑事事件に関する業務を所管しました。
人権擁護課：人権侵害の防止や救済を担当しました。
矯正保護課：刑務所や少年院の運営、更生保護などに関する業務を所管しました。

外局

更生保護委員会：犯罪者の更生を支援する組織です。
出入管理庁：出入国管理に関する業務を担当しました。
土地調査庁：土地調査や測量に関する専門機関です。

支分部局

法務支局：各地域における法務関連業務を担当しました。
登記所：不動産や会社などの登記に関する業務を担当しました。
保護観察所：保護観察対象者の監督や支援を行いました。

附属機関

軍用地関係事務所：軍用地に関する業務を担当しました。
刑務所：受刑者を収容する施設です。
少年院：非行少年を矯正する施設です。
少年鑑別所：非行少年の鑑別を行う施設です。
矯正研修所：矯正職員を育成する機関です。

参考文献

照屋栄一『沖縄行政機構変遷史 明治12年～昭和59年』照屋栄一、1984年8月15日。NDLJP:9775065。

関連項目

琉球政府
行政主席

外部リンク

沖縄県公文書館

法務局は、琉球政府の法務行政を支える重要な役割を担い、多岐にわたる業務を通じて、琉球社会の安定と発展に貢献しました。

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