法源寺 (北京市)

法源寺（ほうげんじ）

法源寺は、中華人民共和国北京市西城区にある由緒ある仏教寺院です。境内には中国仏学院と中国仏教図書文物館が置かれ、中国仏教の研究と文化において重要な役割を果たしています。

歴史

法源寺の創建は唐代、太宗皇帝の貞観19年（645年）に遡ります。太宗が高句麗遠征で亡くなった将兵の霊を弔うため、勅命によって建立が始まりました。完成したのは武周時代の万歳通天元年（696年）で、当初は「憫忠寺」という名が与えられました。

安史の乱（755年 - 763年）の際には「順天寺」と改称されましたが、後に元の「憫忠寺」に戻されています。唐末の景福年間（892年 - 893年）には、幽州節度使の李匡威が寺院を再建し、憫忠閣を建立しました。

遼の時代には、度重なる大規模な修復が行われました。しかし、清寧3年（1057年）には幽州大地震が発生し、寺院は大きな被害を受けました。咸雍6年（1070年）には「大憫忠寺」と改称され、太安10年（1094年）には大規模な再建が開始されました。1215年には兵火によって一度は廃寺となりましたが、明の正統2年（1437年）に住職の僧侶である相瑢が資金を集め再建し、「崇福寺」と改称しました。

清の康熙帝の時代には藏経閣が修復され、雍正12年（1734年）には現在の「法源寺」と改称、宗派も律宗に改められました。

1949年以降、地元政府によって寺院の修繕が行われ、1956年には中国仏学院が設置され、現在に至ります。1980年には中国仏教図書文物館も併設されました。1983年には、中華人民共和国国務院によって漢族地区仏教全国重点寺院に認定されています。

伽藍

法源寺の主要な伽藍構成は以下の通りです。

山門
鐘楼
鼓楼
天王殿
大雄宝殿
憫忠台
大遍覚堂
蔵経楼

重要文化財

法源寺には数多くの貴重な文化財が所蔵されています。

後漢陶仏坐像
東呉陶魂瓶
北魏石造像
唐石仏像
唐石刻「無垢浄光宝塔頌」
五代鉄鑄像
宋木彫羅漢
遼「燕京大欄忠寺菩薩地宮舎利函記」
元銅鑄観音
明木彫伏虎羅漢

書籍

台湾の作家、李敖による小説『北京法源寺』は、戊戌の変法と百日維新の失敗を背景に、譚嗣同と大刀王五の伝説を描いた作品です。

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