法身普賢

法身普賢：チベット[[仏教]]ニンマ派における本初仏

法身普賢（ほっしんふげん、蔵: チューク・クントゥサンポ、梵: Dharmakāya-Samantabhadra）は、大乗仏教の信仰対象である如来の一尊です。特にチベット[[仏教]]ニンマ派では、本初仏として重要な位置を占めています。普賢菩薩と同様に「普賢」の名を冠しますが、通常の普賢菩薩とは異なる存在であり、如来として分類されるべき尊格です。

法身普賢の形態と特徴

法身普賢は、何も身につけない裸の姿で表されることが多く、青色の肌を有するとされます。その姿には、双身と単身という二つの相があります。双身の法身普賢は、結跏趺坐の姿勢で、配偶者である普賢仏母（蔵: クントゥサンモ、梵: Samantabhadrī）とヤブユム（密教における男女の合体図像）の姿で表され、歓喜を表しています。

法身普賢とゾクチェン

ゾクチェン（大円満）心部の重要な経典である『クンチェギェルポ（kun byed rgyal po すべてを創り出す王）』では、法身普賢と同義の存在が登場します。この経典では、法身普賢（クンチェギェルポ）と、報身の金剛薩埵（ヴァジュラサットヴァ）と同義であるサットヴァヴァジュラとの問答を通して、あらゆる存在が普賢の境地の顕現であると説かれています。

法身普賢と本初仏

密教において、大日[[如来]]は法身仏として中心的な存在ですが、後期密教では、大日[[如来]]を超える根源的な存在として法身普賢が「本初仏」として位置づけられました。チベット[[仏教]]では、法身普賢は、法身の金剛薩埵（ヴァジュラサットヴァ）と法身の持金剛仏（ヴァジュラダラ）とともに、三尊の「本初仏」として尊崇されています。しかし、どの本初仏を特に重要視するかは、宗派によって異なり、ニンマ派では法身普賢、ゲルク派では持金剛仏、カギュ派では金剛薩埵がそれぞれ本初仏として尊崇されています。

関連する経典と仏

法身普賢に関する理解を深めるためには、ゾクチェン（大円満）の教えや、関連する経典、例えば『大幻化網タントラ』、大日経、理趣経などを参照することが重要です。また、金剛薩埵、准胝観音などの仏も、法身普賢と密接な関係を持つ存在として理解されています。

まとめ

法身普賢は、チベット[[仏教]]ニンマ派における重要な本初仏であり、その独特の姿や、ゾクチェンにおける役割、そして他の本初仏との関係性を知ることで、チベット[[仏教]]の深遠な世界観の一端を垣間見ることができます。 本稿では、平松敏雄氏の『西蔵仏教宗義研究 第三巻 トゥカン『一切宗義』ニンマ派の章』（東洋文庫、1982年刊）や、ラマ・ケツンサンポ・リンポチェ監修の『大チベット展』（毎日コミュニケーションズ、1983年刊）などの文献を参照しています。これらの文献は、法身普賢に関するより詳細な情報を提供してくれるでしょう。

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