法輪寺 (阿波市)

法輪寺（ほうりんじ）

法輪寺は、四国徳島県阿波市土成町にある高野山真言宗に属する寺院で、正覚山菩提院という名でも知られています。この寺院の本尊は涅槃釈迦如来であり、毎年2月15日に特別な開帳祭が行われます。また、法輪寺は四国八十八箇所の第九番札所としても知られ、多くの巡礼者が訪れる名所です。

本尊とその真言

本尊にあたる涅槃釈迦如来は仏教における重要な存在であり、特に「のうまくさんまんだ ぼだなん ばく」という真言が唱えられています。また、法輪寺にはご詠歌もあり、「大乗のひほうもとがもひるがえし　転法輪の縁とこそきけ」という詩が、ここに訪れる者たちの心を誘います。

歴史

法輪寺の創建は、空海（弘法大師）が巡錫中に白蛇を見た際、その白蛇が仏の使者であるとされ、釈迦涅槃像を刻んで本尊としたという伝説から始まります。初めは現在の立地から4キロメートル北に所在していましたが、1582年の天正10年には長宗我部元親の軍により焼失しました。

その後、1644年から1648年の正保年間に現在地に移転し、寺は再興されました。この時、田園にあることから「田中法輪寺」と呼ばれ、住職が「転法林で覚りをひらいた」という逸話に基づいて現在の山号と寺号に改称されました。さらに、1859年には再度の火災により鐘楼堂以外が全焼しましたが、明治時代に新たな堂宇が再建されました。

参拝の特徴

法輪寺には、古くからの信仰を反映した多くの草鞋が本堂に奉納されています。これは、過去に松葉杖で来た参拝者が、参拝の後に杖なしで歩けるようになったことに端を発しています。

境内の構成

境内へ入ると、まず仁王門（山門）があり、その奥には本堂があります。本堂内には、涅槃釈迦如来を中心に多くの羅漢たちが祀られています。2014年からは本尊が毎年開帳されることにさまざまな来訪者が共鳴しています。本堂の右側には大師堂もあり、賓頭盧尊者が祀られています。また、青不動明王は本堂右前に位置し、力強い半跏趺坐像で存在感を放っています。鐘楼もあり、境内には参拝者のための休憩所や納経所が整備されています。

交通アクセス

法輪寺へのアクセスは、鉄道の場合、JR四国の徳島線鴨島駅から4.6キロメートルの距離です。車利用の場合は、徳島県道236号浦池南原線や徳島県道12号鳴門池田線から簡単にアクセスできます。さらに、土成ICからは約3.1キロメートルの位置にあるため、訪れやすい場所に位置しています。

近隣のスポット

周辺には小豆洗大師堂もあり、その伝説は空海が水を湧出させたことに由来しています。水不足に悩む農民を助けたというエピソードは、今でも地域の人々に大切にされています。

法輪寺は、豊かな自然に囲まれた静寂な環境の中で、訪れるすべての人々に心の安らぎをもたらす場所です。歴史や信仰が息づくこの寺院を訪れて、身心ともにリフレッシュしてみてください。

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