津久見駅

津久見駅：歴史と魅力が織りなす、地域の中核駅

大分県津久見市の中央町に位置する津久見駅は、JR九州日豊本線沿線にある重要な駅です。日豊本線全列車が停車する津久見市の代表駅として、地域住民の生活を支えるとともに、豊かな歴史と魅力を秘めています。

歴史を刻む軌跡

1916年（大正5年）10月25日の開業以来、津久見駅は地域社会とともに歩んできました。1949年（昭和24年）には、昭和天皇の戦後巡幸で御召し列車が停車し、駅前では盛大な奉迎が行われました。その後、貨物取扱の廃止を経て、1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化により九州旅客鉄道（JR九州）が継承しました。

近年では、2009年（平成21年）10月24日から、津久見市出身のシンガーソングライター、伊勢正三氏の代表曲「なごり雪」が接近メロディーとして使用されています。当初は特急列車の発着時のみでしたが、現在では普通列車の発着時にも使用され、駅に独特の雰囲気を与えています。また、2010年3月には、「なごり雪」の歌詞の一部と、伊勢氏による津久見駅へのメッセージが刻まれた記念碑が設置されました。

2017年（平成29年）9月には台風18号の影響で駅構内が冠水し、一時運転を休止しましたが、復旧作業を経て、同年12月18日に運転を再開しました。そして、2023年（令和5年）10月1日には、JR九州サービスサポートからの業務委託から、JR九州本体による直営駅へと移行しました。

駅舎とホーム：長大編成の面影

津久見駅は、島式ホーム1面2線を有する地上駅で、橋上駅舎を備えています。特徴的なのは、約260メートルにも及ぶ長いホームです。かつては寝台列車など長大編成の列車が停車していた名残で、現在は使用されていない部分は柵で仕切られています。JR九州直営駅として、みどりの窓口も設置されています。ホームは大きくカーブしており、独特の景観を作り出しています。

地域の中核：アクセスと周辺環境

津久見駅は、津久見市の行政・経済の中心地に位置し、周辺には津久見市役所、津久見郵便局、津久見市民図書館、大分県立津久見高等学校などの公共施設や教育機関が集まっています。国道217号や大分県道507号津久見停車場線も駅に接続し、交通の要衝となっています。さらに、津久見港へのアクセスも容易で、保戸島や地無垢島への航路発着場も近接しています。臼津交通のバス路線も利用可能です。

利用状況と未来

2023年度の1日平均乗車人員は657人で、前年比41人の増加となっています。これは、地域経済の活性化や利便性の向上を示唆するものであり、今後も津久見駅は、地域住民の生活と発展に貢献していくでしょう。

隣の駅

日豊本線
下り：日代駅
上り：臼杵駅

特急「ソニック」「にちりん」「にちりんシーガイア」も停車します。

まとめ

津久見駅は、長い歴史と地域に根ざした存在感を持ち、多くの人の暮らしを支える重要な交通拠点です。美しい風景と、地域の人々の温かさ、そして「なごり雪」のメロディーが流れる駅は、訪れる人々に忘れられない思い出を残してくれるでしょう。

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