臼杵駅

臼杵駅：歴史と文化が香る、大分県の中核駅

臼杵駅は、大分県臼杵市に位置する九州旅客鉄道（JR九州）日豊本線の駅です。臼杵市を代表する駅として、日豊本線を通る全ての列車が停車し、地域の交通の要となっています。特に、普通列車の多くが臼杵駅で折り返すため、多くの利用客で賑わっています。また、大分駅からの最終列車も臼杵駅が終点となっており、地域の生活を支える重要な役割を担っています。

歴史を刻む駅舎と昭和天皇の訪問

臼杵駅の歴史は古く、1915年（大正4年）8月15日に鉄道院によって開設されました。1949年（昭和24年）には、昭和天皇の戦後巡幸の際に、お召し列車が停車し、駅前で盛大な奉迎が行われたという歴史的な出来事もあります。その後、1981年（昭和56年）4月3日には、木造平屋建ての旧駅舎から、現在の鉄筋コンクリート造一部二階建ての駅舎へと改築されました。改築された駅舎は、臼杵城の石垣をイメージしたデザインが特徴的で、地域の歴史と文化を反映した建築となっています。駅舎内には天窓が設置され、明るい空間が確保されているとともに、観光売店も設置され、臼杵の特産品を購入することができます。

貨物と荷物の取扱いは、それぞれ1984年（昭和59年）2月1日と1986年（昭和61年）11月1日に廃止されました。1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化により、JR九州に継承されました。2015年（平成27年）3月14日のダイヤ改正では、大分駅発の最終列車が臼杵駅まで延長され、終着時刻が日付を跨ぐようになりました。

2017年（平成29年）9月には、台風18号の影響で、駅構内が冠水するなどの被害を受け、一時的に運転見合わせとなりました。その後、段階的に運転が再開され、同年12月18日には、当駅と佐伯駅間の運転が完全に再開されました。2023年（令和5年）10月1日には、JR九州サービスサポートによる業務委託から、九州旅客鉄道本体による直営駅へと移行しました。

駅構造とバリアフリー

臼杵駅は、駅舎に接した単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームと数本の留置線を有する地上駅です。ホーム間の移動は跨線橋を利用しますが、バリアフリー対策は1番のりば以外には施されていません。JR九州本体が駅業務を直接行う直営駅であり、みどりの窓口も設置されています。

利用状況と周辺環境

2022年度の1日平均乗車人員は559人で、前年度と比較して増加しています。駅周辺は、ホテルや飲食店などが集積しており、市街地の端に位置しています。商業の中心は駅から北西に約800メートル離れた「辻」バス停周辺の旧城下町地域であり、多くは小規模な店舗が軒を連ねています。一方、駅北側には市役所などの公共施設が集中しています。

バス路線とアクセス

臼津交通の各路線が駅前の「臼杵駅」停留所を発着しています。大分バスは「辻」停留所または「城北」停留所が最寄りとなり、「臼杵駅」には乗り入れません。かつてはJR九州バス臼三線も運行されていましたが、2007年（平成19年）3月31日に廃止されています。

隣の駅

日豊本線
上臼杵駅 - 臼杵駅 - 津久見駅

特急ソニック、にちりん、にちりんシーガイア号も停車します。

臼杵駅は、歴史と現代が調和した、魅力的な駅です。

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