津守通

津守 通（つもり の とおる）

津守通は、奈良時代に生きた貴族であり、陰陽師としても名を馳せました。彼の名は「道」とも記され、姓は「連」を持ちます。官位としては従五位上、美作守を歴任しました。

経歴の概略

彼の生涯は、大化の改新後の混乱と改革が繰り返される時代において、多くの出来事と共に展開されました。特に、天武天皇の時代における大津皇子と石川郎女の密通事件を占術によって明らかにしたとされ、その際に大津皇子が詠んだ和歌は、後に『万葉集』に収録されることとなります。この出来事は、通の占いの腕前を証明するものであり、彼の名声を高めるきっかけとなりました。

官位と受賜

元明天皇の時代、元号和銅7年（714年）には、彼は正七位上から五階昇進して従五位下に叙爵され、美作守に任命されました。さらに養老5年（721年）、官職における業績を称賛し、学問に優れた者に与えられる特別な褒賞として、元正天皇から次の品々が授与されました：絁10疋、絹糸10絇、麻布20端、鍬20口。これにより、彼の陰陽道の才能が特に賞賛されることになりました。

養老7年（723年）には、従五位上に昇叙され、その地位は強固なものとなりました。また、神亀元年（724年）には、彼の外孫である忍海手人大海らの兄弟6人が工匠の呼称を外し、津守連姓に改姓することがありました。

陰陽師としての評価

『藤氏家伝』によると、彼は陰陽師の第一人者として記されています。このことは、当時の彼の影響力や徳の高さを示すものであり、後世にもその名が語り継がれる要因となりました。

家族構成

津守通の家系は、多様な背景を持っています。父は津守大海であり、母についての情報は伝わっていません。彼の子どもたちには、男子が二人、女子が一人います。男子には津守桙麻呂、津守首古が含まれ、女子の津守秋夜売は忍海黒万呂の妻となりました。

参考文献

津守通に関する詳細については、以下の文献が参考になります：

• - 宇治谷孟『続日本紀 （上）』講談社〈講談社学術文庫〉、1992年
• - 宝賀寿男『古代氏族系譜集成』古代氏族研究会、1986年

このように、津守通は奈良時代の風雲児とも言える存在であり、その業績や影響は多くの人々に記憶されています。彼の生涯は、当時の文化や社会における陰陽道の重要性を物語っているのです。

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