津山口駅

津山口駅

岡山県津山市津山口に所在する津山口駅は、西日本旅客鉄道（JR西日本）が管轄する津山線の駅です。この駅は、岡山県北部の中心都市である津山の鉄道史において、その黎明期に重要な役割を担った経緯を持っています。

歴史

駅の開設は1898年（明治31年）12月21日に遡ります。当時の中国鉄道本線の終着駅として「津山駅」の名で開業しました。旧津山町の玄関口としての機能を果たしており、位置は吉井川を挟んで町の対岸にある佐良山村内（現在の津山市の一部）でした。しかし、時代が進み、より利便性の高い場所への鉄道網拡充が計画されると、状況は変化します。1923年（大正12年）、福岡村内（現在の津山市中心部）に新たな「津山駅」が開業することになり、これに先行して同年8月1日、従来の津山駅は現在の駅名である「津山口駅」に改称されました。これにより、津山地域における中心的な鉄道駅としての役割は、新設された津山駅へと移管されることになったのです。

また、津山口駅は、1944年（昭和19年）6月1日に中国鉄道が国有化されるまでの間、中国鉄道の路線と、同時期に敷設が進められた国有鉄道作備線（後の姫新線支線）との結節点、すなわち境界駅としての側面も有していました。中国鉄道の国有化が実施された際、旧中国鉄道本線の一部（現在の津山線岡山方面）と、国有化と同時に国有鉄道へ移管された姫新線支線（津山駅 - 当駅間）が統合され、現在の津山線が形成され、当駅はその構成駅となりました。

主な歴史

1898年（明治31年）12月21日：中国鉄道本線の終着駅「津山駅」として開業。
1923年（大正12年）8月1日：「津山口駅」に改称。
1923年（大正12年）8月21日：鉄道省作備線の一部が開業（現在の津山駅 - 当駅間）。
1944年（昭和19年）6月1日：中国鉄道の国有化に伴い、鉄道省津山線の駅となる。
1971年（昭和46年）11月15日：貨物・荷物取扱いが廃止され、無人駅化される。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道（JR西日本）の駅となる。
2020年（令和2年）3月：新しい駅舎の供用が開始される。

駅構造

現在の津山口駅は、単式ホーム1面1線のみを有する地上駅として運用されています。ホームは、列車進行方向に向かって左側、すなわち津山方面に向かって左手に設けられています。列車交換設備を持たない構造（棒線駅）のため、岡山方面行きの列車も津山方面行きの列車も、同じ一つのホームから発着します。

歴史の項で述べたように、この駅はかつて中国鉄道の終着駅であり、鉄道網の要衝でした。当時は2面3線のホームを備え、広々とした構内を有していた時期があります。その名残として、現在も当時の古いホームの一部が残存しています。

駅業務は隣の津山駅が管理しており、津山口駅自体は駅員が配置されていない無人駅です。駅舎は待合室を兼ねた簡素な造りとなっており、乗車券類を自動で購入できる設備などは備えられていません。

利用状況

駅の1日あたりの平均乗車人員に関する具体的な数値情報は公開されていません。しかし、駅周辺に広がる住宅地の住民を中心に、地域における日常的な交通手段として利用されているものと考えられます。

駅周辺

津山口駅の周囲は、主に住宅地が広がる落ち着いた環境です。駅前には、利用者の乗降や送迎に便利なロータリーが整備されています。

近隣の主な施設としては、地域医療を支える積善病院、郵便業務を取り扱う津山口郵便局、商業活動の拠点となる卸売団地、そしてレジャーを楽しめるツモクボウリングなどが立地しています。また、地域内の移動手段として、津山市が運行するコミュニティバス「ごんごバス」の西循環線が駅前に「津山口駅前」停留所を設置しており、バスによるアクセスも可能です。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）津山線における、津山口駅の隣接駅は以下の通りです。

快速「ことぶき」：当駅は通過し、停車しません。
* 普通（福渡駅 - 岡山駅間で快速となる「ことぶき」を含む）：津山駅 - 津山口駅 - 佐良山駅

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