浦川原区

新潟県上越市の東部に位置する浦川原区は、かつて東頸城郡浦川原村として存在した地域が、2005年 1月1日に上越市との合併に伴い設けられた地域自治区です。

地理と自然

上越市の中心市街地から見て東側に広がる浦川原区は、東頸城丘陵の西端にあたります。地形的には概ねアルファベットの「T」のような形状をしており、東西に延びる部分には国道253号が貫通し、その傍らを主要な河川である保倉川が流れています。また、南北に長い部分には保倉川の支流である高谷川が流れ、これらの河川沿いの平地に集落や耕地が形成されています。周囲には霧ヶ岳（標高507メートル）、唐野山、万年山などの山々が控えています。河川としては、保倉川、高谷川のほか、猿俣川や熊谷川も地域を潤しています。

この地域は、全国的に見ても雪が多いことで知られており、1971年には特別豪雪地帯に指定されました。冬期には積雪が2メートルを超えることも珍しくありません。

歴史

歴史的には、昭和初期頃まで、浦川原地域は東頸城郡における重要な商業拠点であり、宿場や市場町として中心的な役割を担っていました。

教育

近年の過疎化や少子化は地域の学校にも影響を与えています。児童数の減少により、かつて3校存在した小学校は再編され、2017年には1校に統合されました。現在、地域内には上越市立浦川原中学校と、統合を経て新たな体制となった上越市立浦川原小学校があります。

公共施設

地域住民の生活を支える公共施設として、上越市浦川原コミュニティプラザ、上越市立高田図書館の分館である浦川原分館、上越市浦川原体育館、上越市浦川原プール、上越市浦川原運動広場などが整備されています。

交通

地域の交通網は、鉄道、バス、道路によって構成されています。

鉄道
1997年に開業した北越急行ほくほく線は、地域の交通事情に変化をもたらしました。区内にはうらがわら駅と虫川大杉駅が設置されており、特に自家用車を利用しない住民、とりわけ高校生にとって重要な移動手段となっています。これにより、十日町市方面への通学など、活動範囲の拡大が可能となりました。

バス
バス路線は、うらがわら駅近くに位置する浦川原バスターミナル（かつての頸城鉄道線浦川原駅跡地）を拠点として、頸城自動車グループによって運行されています。しかし、利用者の減少に伴い、運行本数は徐々に削減されている状況です。
頸城自動車が直江津市街を結ぶ路線を運行。
くびき野バスが高田市街方面への路線を担当。
* 東頸バスが区内や周辺地域を結ぶ路線を提供しています。

道路
地域を通過する高規格幹線道路として上越魚沼地域振興快速道路がありますが、現在のところ浦川原インターチェンジ（IC）から安塚ICまでの区間が開通しています。また、一般国道として国道253号と国道405号が、主要地方道として新潟県道13号、43号、61号が、さらに複数の一般県道が地域の骨格を形成しています。

名所・旧跡・観光スポット

浦川原区には、歴史ある寺院として顕聖寺、日光寺、法定寺があります。また、国の天然記念物にも指定されている虫川の大杉は、樹齢千年を超える巨木として知られています。

その他、山本ぶどう園や霧ヶ岳公園といった自然を楽しめるスポットがあります。かつては霧ケ岳温泉「ゆあみ」も営業していましたが、2017年 3月31日をもって休止しています。

閉校となった小学校の校舎を活用したユニークな施設として、月影の郷があります。これは大学との連携によりリノベーションされ、宿泊体験交流施設として2005年に開設されました。

祭事・催事

年間を通じて様々な伝統や文化に触れることができる祭事や催しが開催されています。若葉まつり、大浦安げんき市、浦川原和太鼓祭、月影芸能まつり、うらがわらまつり、山本ぶどうまつりなどがあります。特に冬には、豪雪地帯ならではのうらがわら雪あかりフェスタが開催され、地域に彩りを添えています。

浦川原区出身の人物

浦川原区は、政治家・ジャーナリストの石田善佐、実業家の丸田治太郎、書家・篆刻家・歌人の村松苦行林、歌人の山田あき、そしてかつて世界男性最高齢者であった渡邉智哲氏など、各界で活躍した多くの人物を輩出しています。

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