海事博物館

海事博物館とは

海事博物館は、海洋に関する人間の活動、すなわち海事に関する事柄を専門とする博物館です。展示内容は多岐にわたり、船舶や造船といった海運に関するものから、深海調査や海底資源開発などの海洋開発、さらには漁業や海軍に関するものまで、幅広く取り扱います。水生生物を展示する水族館とは異なり、人間の海洋活動に焦点を当てている点が大きな特徴です。

海事博物館の概要

海事博物館は、しばしば港町に立地し、その地域の歴史と合わせて海事の歴史を紹介する役割を担っています。国際的な団体としては、国際海事博物館機構（ICMM）が存在し、世界中の海事博物館が連携して活動しています。

展示物

海事博物館の展示物は多種多様ですが、主なものとしては以下のようなものがあります。

歴史的な船舶: 実物または複製品が展示されます。海上や河川に係留されたり、博物館内のドックに収容されることもあります。小型の船舶は屋内に陸揚げして展示されることもあります。実物が現存しない場合は、復元されたものが展示されることもあります。
船舶の模型: 細密に再現されたものや、大スケールの模型が展示されます。愛好家からの寄贈や寄託によるものも多くあります。
港湾に関する資料: 歴史的な港湾や大規模な港湾地域にある博物館では、その港湾の一部が展示に利用されたり、港湾に関する歴史的資料が展示されます。
造船に関する資料: 造船業が盛んな地域にある博物館では、造船に関する資料が展示されることがあります。
海軍関連の展示: 海軍博物館として、軍事関係を中心に展示する博物館もあります。空母に搭載する艦載機や潜水艦を展示している場合もあります。日本の水軍を専門とする博物館もあります。

海事博物館の活動

海事博物館は、展示物の収集、保存、展示のほか、海事に関する研究や教育活動も積極的に行っています。また、ボランティア活動の拠点となることもあり、地域社会における海事文化の普及に貢献しています。

日本の主な海事博物館

日本には、以下のような多くの海事博物館があります。

北海道地方: 利尻町立博物館、広尾町海洋博物館、厚岸町海事記念館、函館市青函連絡船記念館摩周丸など。
東北地方: 青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸、みちのく北方漁船博物館、岩手県立水産科学館など。
関東地方: 北茨城市漁業歴史資料館、石川島資料館、明治丸記念館、IHIアイミューズ、海上保安庁海洋情報資料館など。
中部地方: マリンミュージアム海洋、海王丸パーク、北前船の里資料館、海洋[[漁業科学館]]、東海大学海洋学部博物館など。
近畿地方: 神戸海洋博物館・カワサキワールド、神戸大学海事博物館、戦没した船と海員の資料館、赤穂市立海洋科学館など。
中国地方: 野﨑家塩業歴史館、いろは丸展示館、因島水軍城、呉市海事歴史科学館（大和ミュージアム）など。
四国地方: 今治市村上海賊ミュージアム、大三島海事博物館、瀬戸内海歴史民俗資料館、琴平海洋博物館など。
九州地方: 水の子島海事資料館、亀山社中記念館、三菱重工業長崎造船所史料館、崎戸歴史民俗資料館、海上自衛隊佐世保史料館など。
沖縄地方: 糸満海人工房・資料館、うるま市立海の文化資料館、対馬丸記念館、海洋文化館など。

海外の主な海事博物館

海外にも、以下のような著名な海事博物館があります。

Australian National Maritime Museum（オーストラリア）
National Maritime Museum (UK)（イギリス）
Maritime Museum of San Diego (アメリカ)
ヴァーサ博物館 (スウェーデン)
国立海洋科技博物館（台湾）

関連情報

海事博物館に関するより詳しい情報については、以下のリンクもご参照ください。

のりもの博物館 - 運輸振興協会
ICMM website
Maritime and Naval Museums in Britain and Ireland
USA Naval and Maritime Museums List
InternationalNaval and Maritime Museums List
Maritime Museums worldwide
Maritime Museums in Europe

海事博物館は、人類の海洋に対する挑戦と、豊かな文化の歴史を伝える重要な施設です。これらの博物館を訪れることで、海事のロマンと歴史を深く理解することができるでしょう。

もう一度検索