海会寺 (堺市)

海会寺（かいえじ）

大阪府堺市堺区に位置する臨済宗東福寺派の寺院、海会寺。その歴史は、元弘2年（1332年）に乾峯士曇によって、開口神社の南に創建されたことに始まります。文明16年（1484年）頃に季弘大叔が著した「蓆軒日録」にもその名が記されており、古くから存在していたことが伺えます。

1615年（慶長20年）には、大坂夏の陣によって伽藍が焼失するという大きな試練に見舞われました。しかし、南宗寺住職・沢庵宗彭の尽力により、南宗寺の塔頭として現在の場所、南宗寺境内の一角に移転・再建されました。この時、移転前の地には祥雲寺が建てられています。また、方広寺梵鐘の鐘銘を書いたことで知られる文英清韓も、かつてこの寺の住職を務めていました。その後、南宗寺の塔頭から独立し、臨済宗東福寺派の寺院となりましたが、現在も南宗寺の境内に寺基を構えています。

境内

山門をくぐると、門廊、そして本堂と庫裏が並んでいます。これらの建物は、その歴史的価値から国の重要文化財に指定されています。

本堂（重要文化財）
江戸時代前期に再建された本堂は、庫裏と一体となった建物で、その構造は当時の寺院建築として非常に珍しいものです。桁行25.2m、梁間は左側面8.0m、右側面13.0m、入母屋造、本瓦葺きで、内部は一室構造です。仏間にかかる虹梁の彫刻や蟇股の形式は、17世紀の特徴をよく表しています。
庫裏（重要文化財）
本堂に続く庫裏は、土[[間]]と畳の間が「田」の字形に配置されており、独特の空間構成を持っています。
庭園
静寂な雰囲気の枯山水庭園があり、訪れる人々の心を落ち着かせます。
門廊（重要文化財）
桁行曲折り3間、梁間1間、前面唐破風造、後部切妻造、本瓦葺きで、独特な形状をしています。

文化財

海会寺には、国指定の重要文化財に加え、堺市指定の有形文化財も所蔵されています。

重要文化財
本堂、庫裏及び門廊 2棟
本堂及び庫裏 1棟 - 1955年（昭和30年）6月22日指定
門廊 1棟 - 1955年（昭和30年）6月22日指定
堺市指定有形文化財
牡丹花詩集 附：春慶塗覆蓋単箱 1合、妙智院令椿折紙書状 1通、牡丹花詩序釈文 1通
乾峯士曇ら33人の禅僧が「牡丹」を題に作った漢詩を集めたもの。

現地情報

所在地
大阪府堺市堺区南旅籠町東3丁1-2

アクセス
阪堺電気軌道阪堺線御陵前停留場から徒歩5分

周辺

南宗寺 – 仏殿・山門・唐門が重要文化財、庭園が国の名勝
大安寺 – 本堂が重要文化財
大仙陵古墳 - 国内最大の前方後円墳

外部リンク

* 海会寺本堂,庫裏及び門廊 - 堺市

もう一度検索