海北チベット族自治州

海北チベット族自治州について

海北チベット族自治州は、中華人民共和国青海省の北部に位置する自治州です。中国語では海北蔵族自治州とも呼ばれます。チベット語では「ツォチャン・プーリー・ランキョン・クル」といい、「青海湖の北」を意味します。

地理

自治州は青海省の北東部に位置し、北から東にかけて甘粛[[省]]と接しています。南は海東市、西寧市、海南チベット族自治州、西は海西モンゴル族チベット族自治州と隣接しています。特に、海南チベット族自治州との境界には、巨大な青海湖（ツォ・ゴンポ）が広がっています。州人民政府は海晏県西海鎮にあります。

歴史

海北州の歴史は古く、新代には西海郡が置かれたのが始まりです。その後、吐蕃の支配下に入り、元代には吐蕃等処宣慰司都元帥府の管轄となりました。明代には安定衛、阿瑞衛が設置され、16世紀にはオイラト人が移住し、11の旗が設置されました。清代には、大通衛が設置され、後に大通県に昇格しました。

1953年に海北チベット族自治区が設置され、1955年に海北チベット族自治州と改称されました。1960年代には、核兵器開発の拠点として機密都市が建設されました。

行政区画

海北チベット族自治州は、3県と1つの自治県で構成されています。

海晏県: 面積4,348平方キロメートル、人口約3万人。チベット族が主体。
祁連県: 面積15,610平方キロメートル、人口約4万人。チベット族が主体。
剛察県: 面積12,500平方キロメートル、人口約4万人。チベット族が主体。
門源回族自治県: 面積6,896平方キロメートル、人口約15万人。回族が自治主体。

年表

1953年: 海北チベット族自治区が成立（3県1自治区）。剛察県、海晏県、亹源回族自治区、祁連県が設置。
1955年: 海北チベット族自治州に改称。亹源回族自治区が県制施行し、亹源回族自治県となる。
1959年: 亹源回族自治県が門源回族自治県に改称。
1960年: 門源回族自治県の一部が甘粛[[省]]に編入。甘粛[[省]]の一部が祁連県に編入。
1965年: 海晏県の一部が鉱区弁事処として分立。
1989年: 鉱区弁事処が海晏県に編入。

文化と社会

海北チベット族自治州は、チベット族をはじめとする多様な民族が暮らす地域です。チベット文化が色濃く残る一方で、回族の文化も独自の発展を遂げています。青海湖をはじめとする豊かな自然環境は、観光資源としても重要です。

参考文献

A. Gruschke: The Cultural Monuments of Tibet’s Outer Provinces: Amdo - Volume 1. The Qinghai Part of Amdo, White Lotus Press, Bangkok 2001.
Tsering Shakya: The Dragon in the Land of Snows. A History of Modern Tibet Since 1947, London 1999.

外部リンク

海北蔵族自治州人民政府 （中国語）
新華社関連サイト （中国語）

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