海原地震

海原地震（かいげんじしん）

1920年12月16日、中国の寧夏回族自治区海原県で発生した巨大地震です。この地震は「海原大地震」または「1920年甘粛地震」とも呼ばれています。マグニチュードはM8.5（Ms8.6）と推定されており、内陸部で発生した地震としては世界最大級の規模を誇ります。

地震の概要

海原地震は、中国大陸のほぼ全域で揺れが観測されるほどの広範囲に影響を及ぼしました。震源に近い地域では激しい揺れに見舞われただけでなく、遠く離れた北京、上海、広州、香港などでも有感地震として記録されています。この地震の規模は、内陸直下型地震としては類を見ないほど巨大であり、世界各地の96地点で地震波形が観測されました。また、本震発生後も約3年間余震が続いたとされています。

海原地震の際、地表には東西方向に約200km以上にわたる左ずれの断層が出現しました。この断層は、西北西から東南東方向に伸びており、長さは約237kmに達します。さらに、この地震断層の西側延長線上では、7年後にマグニチュード7.9の地震が発生し、約60kmの新たな断層が形成されています。

被害状況

地震が発生した寧夏回族自治区は、活断層が南北に走る地域であり、地震による激しい揺れは大規模な地すべりや斜面崩壊を引き起こし、甚大な被害をもたらしました。この地震による死者数は20万人から24万人と推定され、負傷者を含めた死傷者数は50万人以上に達したとされています。

海原地震は、その規模と被害の大きさから、内陸型地震の脅威を強く認識させる出来事となりました。

参考文献

宇津徳治『地震学 第3版』共立出版、2001年。ISBN 978-4-320-04637-5。
大木聖子・纐纈一起『地震の大研究』PHP研究所、2009年。ISBN 978-4-569-68953-1。
岡田義光『日本の地震地図 決定新版』東京書籍、2019年。ISBN 978-4-487-81228-8。
国立天文台『理科年表 2021年』丸善。ISBN 978-4-621-30560-7。

もう一度検索