海士町

海士町の概要

海士町（あまちょう）は、島根県の隠岐郡に属し、日本海に浮かぶ隠岐諸島の主島である中ノ島を中心とした自治体です。面積は約33.46 km²で、周囲は89.1 kmに及び、2015年の国勢調査によると人口は2353人、世帯数は1057世帯となっています。少子高齢化の影響で人口減少が続いていましたが、2010年以降はほぼ横ばいの状況です。

地理と地勢

海士町は、島根半島から北約60 km、日本海に位置する隠岐諸島の一部を形成しています。主な島は中ノ島で、これは隠岐の主要な島の一つです。島の地勢は山が連なり、南東部を上方（うえがた）、北西部を海士方と呼んでいます。金光寺山（標高168 m）や家督山（246 m）があり、これらの山々は地域の象徴ともいえる存在です。

中ノ島の北東部は急峻な地形があり、平地は少なくとも良港に恵まれています。一方、内海により面する海士方地区は平地が多く、穀倉地帯として知られています。このような多様な地形は、地域の農業や漁業にも影響を与えています。

水文と生態系

海士町では豊富な地下水が湧き出ており、「天川の水」と呼ばれる名水が名を馳せています。この湧水により、飲料水の確保にはダムが必要なく、環境省の名水百選にも選ばれた実績があります。さらに、中ノ島には約100ヘクタールに及ぶ水田が存在し、島全体の米の需要を十分に賄っています。

気候

海士町の気候は、温暖湿潤気候に属し、夏は涼しく、冬は暖かいという特長があります。対馬海流の影響を受けており、年間では193日の降水日数があり、平均気温は14.4度。冬の月平均気温は上昇し、3度以下にはなりません。

人口と交通

1950年には当町の人口が6,986人を超えていましたが、その後は減少を続けました。UターンやIターンを促進する施策が行われた結果、2010年以降はほぼ横ばいの人口推移を見せ、特に若い世代の移住者が増加しています。現在、20%ほどの住民がIターン者であり、定着率が高いことも特徴です。

交通の便としては、菱浦港が重要な役割を果たし、隠岐汽船によるフェリーや高速船の運行が行われています。本土とのアクセスが確保されており、海上交通が地域の拠点となっています。

経済と産業振興

海士町では、1953年に制定された離島振興法により様々な公共事業が実施されてきました。特に漁業、農業、観光業が重要な産業で、地域の特産品としては「隠岐牛」や「隠岐のいわがき」などが知られています。近年では、宅地開発や観光資源の活用が進められ、雇用の増加にも貢献しています。

文化と観光

文化的には海士町は多くの神社や歴史的な施設が点在し、観光地としても注目を集めています。特に隠岐諸島の自然美や文化が融合し、訪れるによって新しい発見があることでしょう。海士町は独自の歴史と文化を持ち、未来に向けた発展を遂げようとしている地域です。

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