淡江大橋

淡江大橋の概要

淡江大橋は、台湾新北市淡水区と八里区を隔てる淡水河の河口部に建設中の、快速公路台61線（西部浜海快速公路）と淡海軽軌が共用する鉄道道路併用橋です。台湾で3例目となるこの併用橋は、完成すれば単主塔・非対称の斜張橋として世界最長の支間長を持つことになります。この橋は、関渡大橋や淡水河橋、碧潭橋の交通渋滞を緩和し、淡水区北部のニュータウン「淡海新市鎮」の開発を加速させる重要な役割を担っています。

建設の沿革

淡江大橋の計画は1980年代に遡ります。2010年4月に行政院が実現可能性調査計画を承認し、総事業費は約154億台湾ドル、キロ当たりの単価は12.17億台湾ドルと見積もられました。建設工事は3つの工区に分かれており、第1工区は台北港のベイエリア臨時大道上高架橋区間（全長460メートル）、第2工区は橋前後の接続区間、第3工区は橋本体部分（両岸のアプローチ・スパン部を含む）となっています。

2013年4月から6月にかけて環境アセスメント審査が通過し、2014年1月に行政院で事業計画が承認されました。第1工区は2014年10月に着工し、2016年11月に完成しました。第2工区は2016年3月に着工し、2021年7月に淡水区沙崙路のトンネル区間が、同年10月には台64線と接続する八里端の高架橋が開通しました。

橋本体を含む第3工区の設計コンペは2015年9月に決定しましたが、その後7度の入札不成立を経験しました。しかし、2018年11月に施工業者が決定し、2019年3月には着工に至りました。2024年末の開通を目指して建設が進められています。この建設にあたっては、主塔が淡水河の夕陽を遮るのではないかという懸念も提起されました。

事業費は全体で154億台湾ドル、橋本体には124.9億台湾ドルが投じられ、2020年には台61線に正式編入されました。

国際コンペ

交通部公路総局が主催した国際コンペでは、複数のコンソーシアムから様々な案が提出されました。2015年8月には、イラク出身の建築家ザハ・ハディッドによる斜張橋案が採用されました。コンペには以下の案が提出されました。

複主塔型斜張橋（亜新工程顧問+COWI）
単主塔斜張橋（ザハ・ハディッド+中興工程顧問+レオンハルト・アンドラ）
鶴をモチーフとした複主塔斜張橋（パシフィックコンサルタンツ+台聯工程顧問+禹安工程）
X字型複主塔斜張橋（AECOM+萬鼎工程+艾奕康工程顧問）
吊橋1（台湾世曦工程顧問+大日本コンサルタント）
吊橋2（オリエンタルコンサルタンツ+泰興工程顧問+平和エンジニアリング）

橋の構造

第3工区の橋本体部は、支間長450メートル、全長920メートルの主橋と、両岸の高架橋式連絡道を合わせて総延長12,080メートルになります。A字型主塔の高さは200メートルまたは211メートルとされ、橋面の全幅は主塔部分で44メートルから71メートルとなります。車両の設計最高速度は90km/hで、中央部には淡海ライトレールの複線軌道のための約8メートルの余裕空間が設けられています。ライトレールが建設されるまでは、この空間はバスレーンとして活用される予定です。橋面には、上下各2車線の車道、機車（スクーター）レーン、自転車レーン、歩道レーンがそれぞれ独立して確保されます。ライトレールは、淡水区側での地平部分との接続に、日本のゆりかもめのようにループ線を採用する計画です。船舶の往来部分では、橋面高度20メートルが確保されています。

A.Sはアプローチ・スパンの略です。

関連情報

台15線
台61線
台64線
台北港
新北捷運淡海軽軌

外部リンク

淡江大橋全球資訊網 交通部公路総局西部浜海公路北区臨時工程処 （繁体字中国語）
* Danjiang Bridge Zaha Hadid Architects （英語）

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