清原長谷

清原長谷（きよはら の はせ）

清原長谷は、平安時代初期に活躍した皇族であり、公卿としての地位を持つ人物です。彼の姓は真人であり、中務卿であった三原王の孫で、越中守の石浦王の次男でした。彼は主に官位として従四位上・参議に就くことになり、その業績は当時の日本史においても重要な意味を持っています。

経歴

長谷は、桓武天皇の治世下の延暦17年（798年）に、兄の友上王と共に清原真人姓を与えられ、臣籍降下しました。このことは天武天皇の血統を引く者としては初めてのことであり、彼の政界での立場を確固たるものにしました。延暦22年（803年）には陸奥大掾に任命され、同年には坂上田村麻呂が造志波城を築城する際に関連した可能性もあります。

嵯峨朝が始まると、長谷は蔵人から春宮少進、大進を経て、弘仁7年（816年）には従五位下に叙爵され、宮内少輔に任命されました。弘仁8年（817年）に山城介に異動し、その後、弘仁10年（819年）には遠江守として地方行政に携わることになります。この時、遠江と駿河に住む新羅人700名が反乱を起こし、周辺地域に多大な混乱をもたらしました。長谷はこの事件の対応に追われ、地方官としての難しさを身をもって体験しました。

彼の任期中、外国からの人口流入が進む中で、新羅人の反乱は地方行政に新しい課題を突きつけることとなります。湿地のような状況に対する施策は実情に合わず、住民との間に摩擦を生じさせたとの評価もあります。

弘仁14年（823年）、春宮として仕えていた大伴親王が帝位に就くと、長谷は右衛門権佐に任命され、京に戻ることとなります。この年、彼は従五位上に昇進し、天長2年（825年）には正五位下、そして従四位下に至ります。淳和朝では武官として急速に昇進し、さらに左衛門督や按察使といった重要な役職も歴任しました。天長8年（831年）には参議に任ぜられ、公卿としての地位に達します。天長9年（832年）には従四位上に昇進し、成長が目覚ましいものでした。

仁明朝に入った承和元年（834年）、長谷は61歳でこの世を去りました。彼の最終官位は参議であり、従四位上行左衛門督兼信濃守の地位にありました。

官歴

• - 延暦17年（798年） 12月24日：臣籍降下（清原真人姓）
• - 延暦22年（803年） 正月：陸奥大掾
• - 弘仁3年（812年） 3月9日：雅楽助。9月17日：兼播磨権少掾
• - 弘仁5年（814年） 正月：蔵人。正月13日：春宮少進（春宮・大伴親王）
• - 弘仁6年（815年） 正月12日：春宮大進
• - 弘仁7年（816年） 正月7日：従五位下。正月20日：宮内少輔
• - 弘仁8年（817年） 正月11日：山城介
• - 弘仁10年（819年） 正月：遠江守
• - 弘仁14年（823年） 6月23日：右衛門権佐。11月20日：従五位上。
• - 天長2年（825年） 正月4日：正五位下。正月11日：従四位下、近衛中将
• - 天長3年（826年） 正月21日：兼安芸守
• - 天長6年（829年） 正月16日：兼讃岐権守。2月22日：左衛門督
• - 天長7年（830年） 8月4日：兼按察使
• - 天長8年（831年） 7月11日：参議、左衛門督按察使如元
• - 天長9年（832年） 正月：従四位上
• - 天長10年（833年） 3月：辞按察使。11月11日：兼信濃守
• - 承和元年（834年） 11月26日：卒去（参議従四位上行左衛門督兼信濃守）

長谷の生涯は、当時の日本における権力の変遷や地域社会の状況を反映する重要なものとなっています。

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