清和梅田ビル

清和梅田ビル

清和梅田ビル（せいわうめだビル）は、大阪市北区曾根崎2丁目、曽根崎警察署の南側に位置する超高層ビルです。梅田という大阪を代表するビジネス・商業エリアの一角を占め、2015年の竣工以来、新たなランドマークの一つとなっています。

歴史

このビルが建つ場所には、かつて梅田第一ビルディングがありました。1967年に建てられたこのビルには、第一勧業銀行梅田支店などが入居していましたが、築40年を迎えようとする2006年、第一勧業銀行の不動産管理会社として設立された清和綜合建物株式会社が、この地の建て替え計画を始動させました。計画を進めるにあたり、隣接していた旭屋書店本店の敷地を取得することに成功。これにより、旧梅田第一ビルディングの約1.5倍にあたる広大な敷地での新たなビル建設が可能となりました。旧ビルの解体工事は2012年3月に始まり、更地となった後、2013年2月には新しいビルの建設を祈願する地鎮祭が執り行われました。そして、約2年間の建設期間を経て、2015年3月に清和梅田ビルは無事竣工を迎えたのです。

建築と環境性能

清和梅田ビルの外観は、格子状のデザインが特徴的な花崗岩打ち込みPCカーテンウォールとアルミカーテンウォールによって構成されています。建物の設計においては、周辺環境への配慮と高い環境性能の実現が重視されました。特に、西日が強い立地条件に対応するため、窓面には効果的な庇が設けられ、日差しを軽減する工夫がなされています。また、大阪の気候特性である昼の海風と夜の陸風を利用するため、自然換気を促す換気口が設置されており、空調負荷の低減に貢献しています。さらに、都市部のヒートアイランド現象対策として、御堂筋に面した公開空地である歩道部分には、ドライミストを散布する設備が設けられ、夏の暑さを和らげる試みも行われています。これらの先進的な環境対策の結果、清和梅田ビルは建築物総合環境性能評価システム（CASBEE）において最高評価であるSランクを取得しました。また、日本政策投資銀行が提供する環境配慮型の不動産を評価するDBJグリーンビルディング認証でも、最高ランクであるプラチナの格付けを得ており、その高い環境性能が公的に認められています。

機能性とBCP対策

現代のオフィスビルに求められる高い機能性と、非常時の事業継続計画（BCP）への対応も、清和梅田ビルの重要な特徴です。災害への備えとして、ビル内には重油20キロリットルを備蓄した自家発電機が設置されており、停電時にも72時間連続してビル機能の一部を維持することが可能です。また、停電時でも3日間使用可能な仕様のトイレが備えられるなど、入居者の安全と活動を支えるための設備が充実しています。水害リスクに備え、ビル運営に不可欠な主要な防災設備は、浸水の恐れが少ない2階以上に配置する工夫も凝らされています。地下フロアからは、大阪市営地下鉄（現：大阪メトロ）谷町線の東梅田駅や、広大な地下街「ホワイティうめだ」に直接接続しており、悪天候時でも濡れることなく公共交通機関や周辺商業施設へアクセスできる利便性も大きな魅力です。

先進的な設備

清和梅田ビルは、オフィスビルとしては世界初となる建物組み込み型の機械式駐輪場を備えています。これにより、自転車通勤者や業務で自転車を利用するニーズにも対応し、ビル内に90台分の駐輪スペースを確保しています。エレベーターシステムも効率的に設計されており、地下1階から地上13階までを結ぶ低層用が17人乗り3基、地下1階・地上1階と13階から20階を結ぶ高層用も同様に17人乗り3基が設置されています。これに加え、20人乗りの非常用エレベーターが1基設けられており、円滑な縦移動と非常時の対応能力を確保しています。

清和梅田ビルは、その先進的な環境・BCP性能と利便性の高い立地、そしてユニークな設備を備えることで、梅田エリアにおける高機能オフィスビルとして重要な役割を担っています。

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