湯川宏

湯川 宏 (1918年 - 1986年)

湯川宏（ゆかわ ひろし）は、1918年3月9日に和歌山県海南市で生まれた日本の政治家です。彼は衆議院議員を5期務め、多くの重要な役職を歴任しました。彼の政治キャリア及び経歴について詳しく見ていきましょう。

学歴と初期キャリア

湯川は、和歌山県立和歌山中学校を卒業後、第三高等学校文科甲類に進学し、東京帝国大学法学部を卒業しました。在学中に高等文官試験の行政科に合格し、大学を卒業後は厚生省に入省しました。

1941年、彼は海軍短期現役制度により海軍主計中尉として任官され、南方各地で戦闘に従事しました。1946年に復員後、彼は1949年より大阪府に勤務し始めます。

大阪府での活動と留学

1951年、湯川はフルブライト・プログラム及びガリオア資金を利用してシカゴ大学に留学し、経済や公共政策についての知識を深めました。帰国後、1960年には大阪府企業局長に就任し、1967年には副知事として府政に寄与しました。1970年の日本万国博覧会では準備事務局長を務め、博覧会を成功に導くために重要な役割を果たしました。

1971年には、知事の左藤義詮が落選した際、彼は進退を共にするとして辞表を提出しました。彼は1975年の大阪府知事選挙に自由民主党の要請を受けて立候補しましたが、現職の黒田了一に敗れ、落選しました。

国政への進出

湯川の政治信念を考慮し、彼は1976年の第34回衆議院議員総選挙に大阪1区から自由民主党公認候補として立候補し、見事当選を果たしました。この選挙をきっかけに、彼は中曽根派に所属し、連続で5期務めることになります。

彼は1981年に鈴木改造内閣で経済企画政務次官に就任し、1983年には第2次中曽根内閣で厚生政務次官を歴任しました。これらの役職で彼は日本の政治と経済政策に影響を与えていきました。

晩年と死去

湯川は1986年7月の第38回衆議院議員総選挙に病気を押して立候補し、5度目の当選を果たしましたが、その後間もなく病状が悪化しました。同年9月26日、心不全により慶應義塾大学病院で亡くなりました。68歳という若さでの急逝でした。彼の死後、同年9月30日に特旨を以て五級追陞され、正四位勲二等に叙され、瑞宝章が追贈されました。

湯川の追悼演説は10月30日の衆議院本会議で行われ、彼の同級生であり旧友である永末英一がその役を引き受けました。なお、この選挙から3か月以内の死亡であったため、次点となった大矢卓史が繰り上げ当選しました。

訳書と元秘書

湯川は学問にも貢献しており、ハンス・J・モーゲンソーの書籍『世界政治と國家理性』を鈴木成高と共に翻訳しています。また、彼の元秘書である渡辺義彦は後に民主党の衆議院議員として活動しました。

参考文献

• - 『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』（衆議院、1990年11月）

湯川宏の生涯は、日本の政治史において双頭のリーダーシップと進取の精神を持った人物であったことを示しています。

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