源長経

源 長経（みなもと の ながつね）

源 長経は、平安時代中期の貴族であり、醍醐源氏の一員として知られています。彼は権大納言の源重光の子として生まれ、長い政治家としてのキャリアを持っていました。官位は正四位下、越前守を歴任し、重要な役職に就いていました。

経歴の概要

長経は初め明理（あきまさ）と呼ばれていましたが、名前を長経に改めたのは寛弘元年（1004年）頃のことです。永祚2年（990年）には、一条天皇の五位蔵人に任じられ、当時は正五位下、右近衛少将の地位にありました。彼はその後、正暦4年（993年）には左近衛少将の職に昇進し、正暦6年（995年）には従四位下に叙せられました。

しかし、長徳2年（996年）の長徳の変に伴い、彼は藤原伊周・隆家兄弟が失脚したことから、連座して殿上への出入りが制限されてしまいました。このため、同年の7月には本府役に従うよう命じられ、昇殿は許されなかったものの、左少将として近衛府の役割を担いました。長徳3年（997年）には再び昇殿を許可され、政治の表舞台に戻ることができました。

その後、長保元年（999年）に左京大夫に転任し、さらに藤原遵子の皇太后宮亮も兼任することになりました。長経はその後も摂津守、備前守、越後守、讃岐守といった様々な受領を歴任し、特に治安3年（1023年）頃には修理権大夫の役職をも担っていました。

官歴の詳細

以下に長経の主要な官歴を示します。

• - 時期不詳: 従五位下
• - 永延2年（988年）2月27日: 右近衛少将
• - 時期不詳: 正五位下
• - 永祚2年（990年）9月1日: 五位蔵人
• - 正暦4年（993年）3月9日: 左近衛少将
• - 正暦6年（995年）1月5日: 従四位下
• - 長徳2年（996年）4月24日: 殿上の簡を削除
• - 同年7月27日: 本府役に従う旨の宣旨、昇殿の許可なし
• - 長徳3年（997年）9月9日: 昇殿
• - 長保元年（999年）9月24日: 左京大夫
• - 寛弘元年（1004年）頃: 明理から長経に改名
• - 寛弘4年（1007年）12月2日: 皇太后宮亮拝命（藤原遵子）
• - 長和3年（1014年）6月17日: 辞大夫
• - 寛仁元年（1017年）9月14日: 摂津守拝命
• - 治安3年（1023年）9月4日: 修理権大夫拝命
• - 万寿元年（1024年）2月11日: 讃岐守拝命
• - 長元3年（1030年）8月28日: 備前守拝命

家族構成

源 長経の父は源重光、母は行明親王の娘です。また、妻は藤原時方の娘で、子供には長男の源経成（1009-1066）や、源簾子との子供も含まれます。特に源経成は源氏の中での重要な人物となるなど、長経の家系は後世へと影響を与えました。

参考文献

• - 『尊卑分脈 第三篇』吉川弘文館、1987年
• - 市川久編『近衛府補任 第一』続群書類従完成会、1992年
• - 宮崎康充編『国司補任 第四』続群書類従完成会、1990年

源 長経は、平安時代を生き抜く中で政治的な upheavalを経験しつつも、さまざまな役職を経てその名を歴史に残しました。

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