源頼定

源 頼定について

源頼定（みなもと の よりさだ）は平安時代中期の著名な公卿であり、村上天皇の第四皇子である一品式部卿・為平親王の次男として知られています。彼は正三位・参議の官位を持ち、その生涯においてさまざまな政治的な役割を果たしました。

経歴

頼定の父、為平親王は冷泉天皇の直系でありながらも不遇な立場にありました。母の安子と外祖父の師輔を早くに失ったため、彼の家系は冷泉天皇の皇太弟の地位を得ることができませんでした。このため、家族は次第に臣籍降下せざるを得ない状況に陥ります。頼定はその中でも次男として生を受け、辛い運命を背負って育ちました。

彼の官歴は、永祚2年（990年）に従四位下に初叙された時に始まります。以降、正暦3年（992年）には弾正大弼に任官されるなど着実に昇進を続けますが、長徳2年（996年）に発生した長徳の変で内大臣や中納言が罷免された際、彼も連座して勅勘を受けました。しかし、その後すぐに職務に復帰し、長保3年（1001年）には従四位上・左近衛中将を経て、寛弘6年（1009年）には参議に昇進し、公卿としての地位を確立しました。

とはいえ、参議に昇進した後は昇進が停滞し、兼任する伊予権守以外の大きな役職は得られませんでした。しかし、長和5年（1016年）に後一条天皇が即位する際には、従三位から始まり正三位まで昇叙され、議政官として様々な役職を兼務しました。健康を害したのは寛仁元年（1017年）の末頃からで、最終的には寛仁4年（1020年）の6月に病を得て出家し、同月11日に薨去しました。彼の享年は44歳でした。

逸話

頼定は『枕草子』において「宮の中将」として言及され、「かたちよき公達」として称賛されています。また、後世に名高い大江匡房も彼を著書の中で評価しており、公卿として相応の地位を築いていたことが窺えます。特に和歌が得意ではなかったようですが、漢詩や弓術、蹴鞠などの教養は持ち合わせていました。

女性関係

頼定の私生活は波乱に満ちており、彼は越中守・橘輔政の娘を妻に迎え、一男・源定季をもうけました。しかし、その正室に関する詳細は少なく、彼の名を知られる理由はむしろ密通騒動にあります。

彼は東宮・居貞親王の尚侍である藤原綏子との関係を持ち、彼女が妊娠すると居貞が道長に真相を明らかにさせました。この件は居貞を怒らせ、頼定は殺される危機に直面しましたが、彼の身分が皇族と関わっていたため、最終的に見逃されることとなりました。

その後、頼定は一条天皇の崩御後、藤原元子と密かに関係を続け、その状況が元子の父、藤原顕光によって発覚します。顕光は元子の髪を切り出家させることにしましたが、二人の関係は続き、最終的に二女が生まれました。元子との関係は彼にとって大きな影響を及ぼし、元子の地位や立場も影響を受けることとなります。

頼定の亡き後、彼の遺体は妻である橘氏と結びつく弥勒寺に安置され、正室との縁は生涯にわたって続いていたことが伺えます。彼の生涯は、政治的な活動だけでなく、複雑な女性関係によっても彩られていました。

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