滇良

滇良（てんりょう、拼音：Diānliáng、生没年不詳）は、中国、新代末期から後漢時代にかけての羌族の首領の一人であり、焼当の玄孫にあたります。

生涯

滇良は、焼当羌の有力な首領として台頭しました。当時の中国は新代末期にあたり、王莽の政治の失敗によって、周辺の異民族が次々と中国領内へ侵入するようになっていました。王莽が殺害され、新王朝が崩壊すると、羌族も混乱に乗じて金城や隴西といった地域を侵略しました。この地域を支配していた群雄の一人、隗囂（かいごう）は、羌族を討伐することができず、逆に懐柔策を取り、彼らとの関係を良好に保ちました。

建武9年（33年）、隗囂が亡くなると、司徒掾の班彪は、後漢の光武帝（在位：25年 - 57年）に対し、かつて存在した護羌校尉を復活させるよう献策しました。これを受けて、牛邯が護羌校尉に任命されましたが、牛邯が亡くなると、護羌校尉は再び廃止されました。

建武10年（34年）、先零の有力者が周辺の部族と結託し、再び金城と隴西を侵略しました。光武帝は、中郎将の来歙らを派遣し、これを撃破しました。

建武11年（35年）の夏、先零種は臨洮を侵略しましたが、隴西太守の馬援によって撃破され、降伏しました。降伏した彼らは、天水・隴西・扶風の3郡に移住させられました。翌年の建武12年（36年）には、武都郡の参狼羌が反乱を起こしましたが、これも再び馬援によって鎮圧されました。

滇良の活動した時代は、漢王朝の支配が揺らぎ、周辺民族の活動が活発化した激動の時代でした。彼は、羌族の首領として、その動乱の中で勢力を拡大し、漢王朝との関係において重要な役割を果たしました。

参考文献

* 『後漢書』西羌伝

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