滝川利錦

滝川利錦の生涯と業績

滝川利錦（たきがわ としかね）は、江戸時代前期に活躍した旗本であり、旧片野藩主の家の第4代当主です。彼の初名は利昌（としまさ）で、通称は左兵衛や式部などがありました。官位は従五位下、若狭守、長門守、越前守、および隠岐守を歴任しました。

生い立ちと背景

滝川利錦は、寛永20年（1643年）に滝川利貞の次男として生まれ、母は旧片野藩主の娘でした。家族の背景からしても、彼は早くから武家としての精神や教育を受けたことがうかがえます。承応3年（1654年）には、徳川家綱に初めて御目見えを果たし、ここから彼の公的な活動が始まります。

役職と昇進

寛文3年（1663年）から数年後には、小姓組に選ばれ、寛文5年（1665年）には廩米300俵が与えられました。これは、彼が名誉ある地位に就いていたことを示しています。また、寛文7年（1667年）には進物番に出役し、様々な公務に従事するようになりました。

延宝元年（1673年）、長兄の利雅が亡くなったことにより、滝川家の嗣子となり、正式に若狭守の官位を受けることになります。これに続いて、延宝4年（1676年）には書院番組頭に昇進し、さらなる責任を担うこととなりました。

また、彼は延宝7年（1679年）には小姓組の番頭に昇進し、天和2年（1682年）には上野国と下野国の知行が1000石加増されました。このように、彼の役職や知行地は次第に増え、家の発展に貢献しました。

政権内部での活動

貞享4年（1687年）には書院番の番頭に転任し、さらに経歴を重ねていきます。元禄2年（1689年）には、徳川綱吉に仕える側近としての役割を得、支配者としての存在感を増していきました。しかし、元禄9年（1696年）には辞職し、寄合に転じました。この辞職は、彼の政治活動の一部として注目されるべきポイントです。

新たな地での生活

元禄10年（1697年）には、常陸・上野・下野に散在する知行地を近江国に移転し、4000石を与えられます。この地で彼は新たに浅井郡宮部村に陣屋を設け、地元の代官を派遣して領地を支配しました。利錦の判断により、滝川家は江戸時代末期まで近江国内で4000石を保有する大身旗本として存続しました。

家族構成と系譜

彼の系譜について言及すると、父は滝川利貞、母は滝川正利の娘です。また、正室として服部保忠の娘がいます。彼の子女には長女の新庄直澄室、次女の滝川利元室、長男の滝川利章（1705 - 1748）がいます。特に、利章は利元の養子となりました。また、弟の土岐頼利の子として、滝川利元が4000石を継ぐこととなります。

死去

滝川利錦は宝永7年（1710年）、68歳でこの世を去りました。彼の生涯は、武士としての道を貫いたものであり、家族や地域に多大な影響を与えたといえるでしょう。彼の業績は、江戸時代の武士の一つのモデルともなり、後の時代に継承されていくこととなります。

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