潘璋

潘璋（はん しょう）

潘璋は、中国の後漢末期から三国時代の武将で、呉に仕官しました。彼の本名は潘璋で、字は文珪です。出身地は兗州の東郡発干県であり、彼には潘平という名の子供がいました。

経歴

潘璋は、若干15歳の頃に孫権に仕え始めました。彼は放蕩な性格で酒を好み、若い頃は貧乏であったにもかかわらず、毎晩のように酒を飲む習慣がありました。出世払いを口にしながらも、彼はこの飲み方をやめることはありませんでした。この独特な性格を孫権に愛され、潘璋は募兵の任に就任し、集まった兵士たちの部将としての地位を得ました。

その後、潘璋は山越の征伐において功績を上げ、別部司馬に昇進しました。呉の中央市場を管理する任に就いた際には、市場の治安を保ち、盗難や暴力を根絶することに成功しました。この成果により、彼の評判は高まり、豫章郡の西安県長に任命されました。

当時、荊州の劉表配下の略奪者が多かった中、潘璋の任地に就任後は、彼らの侵攻を防ぎ、静粛な状況を保ちました。隣接する建昌県で反乱が起きると、潘璋はその鎮圧を命じられ、たった1ヶ月で事態を収拾しました。再び建業に戻ると、彼は約800人の兵士を新たに編成しました。

建安20年（215年）、孫権は劉備に荊州の返還を求めるも応じられず、潘璋は合肥の戦いで盛大な攻撃を受けた際、後方から前線へ駆けつけ、一時的に士気が低下していた部隊を再編成しました。彼は軍を指揮し、曹操軍の張遼に対抗し、見事な防衛を果たしました。この功績により、潘璋は偏将軍に任命され、さらなる功績を重ねることになりました。

建安24年（219年）には朱然と共に関羽討伐の任務を受け、彼の退路を断つ働きをしました。馬忠が関羽を捕らえる功績があったことから、新たに固陵太守に任命され、振威将軍と称されることになります。甘寧の死後、潘璋はその軍の指揮に就き、黄武元年（222年）には夷陵の戦いに参加し、勲功を挙げました。

彼の指揮する軍は多くの戦を戦い抜きましたが、次第に金銭に執着し、不法行為に及ぶことが多くなりました。そのため、監察官から倡導されることもありましたが、孫権は潘璋の功績を重視して彼をかばい続けました。ついには偏将軍に昇進し、固陵太守としても名を馳せました。

三国志演義での描写

小説『三国志演義』においても、潘璋は孫権のもとで名誉ある武将として描かれています。彼は江夏攻略戦、赤壁の戦い、南郡攻略戦をはじめ、数々の戦に参加し戦功を挙げました。特に、江夏の戦いでは蘇飛を生け捕るなどの活躍がありました。彼は周瑜の指示で三江口に布陣し、敵軍を撃退する際にも活躍しました。

また、関羽討伐戦では正史に沿った活躍を見せ、成功を収めた後、青龍偃月刀を贈られる栄誉を受けました。だが、彼の生涯は588年後に関興によって命を奪われ、歴史の舞台から退くこととなりました。

潘璋の人生は、彼の勇敢さや軍事的才覚だけでなく、彼の性格や傲慢さ、貪欲さが多くの功績に影を落とした複雑なものでした。彼の故事は、中国の歴史に色濃く刻まれています。

もう一度検索