濱口高彰

濱口高彰（はまぐち たかあき）

競輪界の「中部の総帥」、その軌跡

濱口高彰は、1968年2月26日に三重県で生まれ、後に愛知県名古屋市を故郷とした元競輪選手です。岐阜県立岐南工業高等学校で自転車競技に打ち込み、競輪学校第59期生としてプロの道へ進みました。選手時代は日本[[競輪選手会]]岐阜支部に所属し、岐阜競輪場をホームバンクとして活躍しました。

デビューからトップ選手へ

1987年5月に福井競輪場でデビューし、同月には熊本競輪場で初勝利を飾ります。その後、着実に実力をつけ、特別競輪の決勝に進出するなど、その名を競輪界に轟かせていきました。ニックネームは「ハマちゃん」の他に、中部地区を代表する選手として「中部の総帥」や「中部の司令塔」とも呼ばれました。

「中部でたらい回し」発言の真意

1997年の日本選手権競輪では、山田裕仁選手の番手から見事な差し切りを決めて、初の特別競輪優勝を果たします。この時、「この優勝を期に、特別競輪の優勝は中部でたらいまわしにします」と豪語したことが大きな話題を呼びましたが、その後の中部勢の活躍を見る限り、その言葉は現実のものとなりました。2001年の全日本選抜競輪では、小川圭二選手との激しい競り合いを制して2度目のGI制覇を成し遂げましたが、このレースでは、同県の山田裕仁選手が濱口選手を援護したため、「ファンに背く作戦」として物議を醸しました。

ベテランとしての活躍と引退

2007年にはサマーナイトフェスティバルでGII初優勝を飾り、ベテランとなってもその実力が衰えていないことを証明しました。2013年には通算500勝を達成し、S級創設以降で20人目の快挙となりました。2020年、娘の大学卒業を機に現役引退を表明し、2021年1月13日に選手登録を消除。通算成績は2906戦564勝、優勝回数は67回（うちGI2回）でした。

引退後の活動

引退後は、地元である岐阜新聞社に入社し、競輪記者として新たなキャリアをスタートさせました。岐阜競輪場の公式サイトでは、全レースの予想コーナー「ハマちゃんスマイル」を担当しています。

主な獲得タイトル

1997年：日本選手権競輪（岸和田競輪場）
2001年：読売新聞社杯全日本選抜競輪（花月園競輪場）

競走スタイル

デビュー当初は自力選手として活躍していましたが、後に追込戦法に専念するようになりました。先行選手の動きを的確に捉える差し脚と、2着に先行選手を残す絶妙な技術を持ち合わせていました。また、混戦時には、驚くべき位置から直線で伸びを見せることもありました。

エピソード

笠松競馬場所属の濱口楠彦騎手とは、同姓同名でニックネームも同じ「ハマちゃん」ですが、血縁関係はありません。しかし、二人とも三重県出身という共通点があります。
長野オリンピックショートトラック銅メダリストの植松仁が弟子でしたが、植松の方が先に引退しています。
自宅には仕事の物やトロフィーなどを持ち込まない、という独自のスタイルを貫いていました。
競輪祭には連続26回出場しましたが、当時のJKAの表彰規定は20回までだったため、表彰対象にはなりませんでした。

参考文献

近畿自転車競技会『近自競会報』2007年8月号

外部リンク

現役時代の戦績 - KEIRIN.JP

まとめ

濱口高彰は、その卓越したレースセンスと中部地区の競輪界を牽引したリーダーシップで、多くの競輪ファンを魅了しました。引退後も競輪記者として活躍しており、その経験と知識を生かして、競輪界の発展に貢献しています。

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