読売新聞社杯全日本選抜競輪

読売新聞社杯全日本選抜競輪は、毎年2月下旬（または2月8日から11日）に開催される競輪のGI競走であり、全日本選抜競輪、または全日本選抜と略称されます。

概要

本大会は、競輪の売上回復を目的として、1951年から1968年まで開催された「全国都道府県対抗争覇競輪（後に全国都道府県選抜競輪に改称）」を参考に、1985年に5番目の特別競輪として創設されました。しかし、「全国都道府県選抜競輪」は、1969年に開催予定だった第26回大会が、開催地である甲子園[[競輪場]]の地元住民の反対により、開催10日前に急遽中止、そのまま大会自体が廃止されたという過去があります。そのため、本大会を復活させるにあたっては、様々な議論が交わされました。

特別競輪（現在のGI）相当のビッグレースがそれまで存在しなかった夏季に、主に避暑地の地方都市で開催することを目指し、1985年の第1回大会より「全日本選抜競輪」という名称で開催されました。そのため、冬季開催となった現在でも、GI競走の中では寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントと同様に、地方都市での開催が多いのが特徴です。開催地が決定している2025年の第40回大会まで、青森競輪場での開催が5回と最多となっています。

当初は6日制でしたが、1996年の第12回大会から4日制に短縮されました。

賞金

優勝賞金は、2020年の第35回大会では本賞金が2850万円に増額されたため、副賞込みで3040万円となりました。しかし、2021年の第36回大会では副賞が減額され（2着・3着は増額）、再び3000万円となっています。2022年の第37回大会以降は、優勝賞金は毎年増額されており、2024年の第39回大会では4000万円（副賞込み）となりました。

以下は、直近の決勝戦における各着順の賞金額です。（）内は副賞（1 - 3着に授与）を含んだ金額で、単位は万円です。

1着：4000万円
2着：1800万円
3着：1200万円

歴史

当初は6日制でしたが、1996年の第12回大会から4日制に短縮されました。また、2001年度から実施された競輪の番組制度改革に伴い、2001年の第17回大会から以下のように変更されました。

開催時期が、それまでの7月下旬～8月上旬から11月に変更。
年末開催になったことで、KEIRINグランプリ出場の事実上の最終選考会的な要素（優勝者は自動的に同レースに出走できる）が含まれるようになった。
読売新聞社から社杯が授与されるようになり、それに伴い開催名称が現在の名称に変更された。
本大会の出場選定方法も見直され、ふるさとダービー（4月、6月、8月の3回、地方都市の競輪場で開催）の各決勝戦に勝ち上がった9選手（計27選手）がシードされ、そのうち上位入賞3選手（計9選手）が特別選抜予選（2次予選に自動的に勝ち上がり）へ出場できるようになった。

2005年の第21回大会から、開催時期が1[[2月]]に変更され、さらに2005年度よりふるさとダービーが全日本選抜競輪のトライアル[[競走]]ではなくなったため、ふるさとダービーの各決勝戦上位入賞3選手が特別選抜予選にシードされるシステムは、わずか4年で廃止されました。

2009年の第25回大会から、本大会の開催時期が8月に移行し、以前のような夏季開催が復活しました。これにより、本大会はKEIRINグランプリへの最終選考会的な要素が含まれなくなりました。

2012年度から、特別競輪（GII以上）のレース体系の見直しによる日程のバランス調整のため、開催時期を年度末の2月に再変更し、2008年以来の冬季開催となり、現在に至ります。なお、2012年度の大会は2013年 2月開催だったため、2012年の同大会は日程調整上、行われませんでした。

第36回大会（2021年）は、COVID-19の影響で当初は入場制限を行った上で開催される予定でしたが、緊急事態宣言が延長されたこともあり、無観客での開催に変更されました。また、第37回大会（2022年）は前年度同様の影響で、事前抽選を行い当選者のみが取手本場に入場可能となりました。なお、第38回大会（2023年）では、当初高知本場の滞留人数を最大4,593名とする予定でしたが、2月15日に撤廃されました。競輪のGI開催で入場制限が設けられなかったのは、2020年の同大会以来となります。

第39回大会（2024年）では、1月1日に発生した令和6年能登半島地震を受け、令和6年能登半島地震復興支援競輪として実施されました。

出場選手選抜方法

読売新聞社杯全日本選抜競輪の出場選手は、各都道府県において最も成績を残している選手を中心に選抜されます。毎回、若干の変更・修正がありますが、概ね以下の資格順位により、正選手108名、補欠選手8名が選抜されます。

選考期間：前年6月～11月（6ヶ月）
選考月：1[[2月]]
最低出走回数：24出走（ただし変更になる可能性あり）

1. S級S班在籍者
2. 過去3回以上優勝した者（開催時S級1班所属が条件）
3. 開催時S級1班在籍選手のうち、47都道府県それぞれにおいて平均競走得点1位の者。ただし、選考時において1年以上同じ都道府県に在籍している選手に限る。S級1班が不在の都道府県からは誰も選出しない。
4. 全国を8つに分けた地区毎の平均競走得点1～3位の者
5. 選手選考対象期間において、2ヶ月以上JCFトラック種目強化指定（A）に所属した者（開催時S級1班所属が条件）
6. 残余は平均競走得点上位者より順次選抜

補欠選手は、正選手を除く平均競走得点上位者から、さらに順次選抜されます。

また、正選手のうち、S級S班在籍者と平均競走得点上位者の合計27名については、特別選抜予選に出走できます。

勝ち上がり方式

初日から4日目まですべて12レースが行われます。

初日
一次予選：合計9レース行われ、各レース1～4着の36名が二次予選に進出。
特別選抜予選：一次予選の後に合計3レース行われ、各レース1～3着の9名は、無条件で2日目のスタールビー賞と、3日目の準決勝進出権利が同時に得られる。4～9着の18名は二次予選に進出。
2日目
二次予選：合計6レース行われ、各レース1～3着の18名が準決勝に進出。
スタールビー賞：二次特別選抜予選として最終レースに行われる。失格にならない限り、9名全員が準決勝に進出。
3日目
準決勝：後半3レース。各レース1～3着の9名が決勝に進出。
4日目（最終日）
決勝：最終レース。上位3着は表彰式で表彰台に上がることができる。優勝者には優勝インタビューやウイニングランなどが執り行われる。
特別優秀：決勝前の合計2レース。準決勝各レース4～6着の9名と、二次予選敗退選手による3日目特選各レース1～3着の9名の18名により行われる。

その他、2日目以降には予選敗退者を対象とした特一般（2日目）、一般、選抜、特選（3日目以降）が開催されます。

過去

二次特別選抜予選「スタールビー賞」は、1994年（第10回大会）に限り、共同通信社提供による「共同通信社杯ルビーカップ」として行われました。また、2007年（第23回大会）までは、初日の特別選抜予選4～6着の9名が2日目の優秀に進み、そこでの6着までが準決勝進出となっていました。

過去の優勝者

[過去の優勝者リストは省略します]

今後の開催予定

第40回：[2025年]2月21日～24日 - 豊橋競輪場（5年ぶり2度目）
第41回：[2026年]2月20日～23日 - 熊本[[競輪場]]（19年ぶり3度目）

エピソード

第39回（2024年）までで、完全優勝（予選・準決勝ともすべて1着）達成者は1名、井上茂徳（第2回）のみです。
同一大会でスタールビー賞1着選手が優勝したケースは、井上茂徳のほか、郡司浩平（第36回）、古性優作（第38回）の3名のみです。
連覇は、中野浩一（第4回・第5回）、古性優作（第37回・第38回）の2名のみです。

決勝戦テレビ中継

決勝戦のテレビ中継は、これまでテレビ東京系列がほぼ独占していましたが、2006年以降は日本自転車振興会（現JKA）が「KEIRIN」としてスポンサーとなり、読売新聞社系列の日本テレビとその系列局にて放送されています。

2015年（第30回）からは坂上忍を司会に起用し、「坂上忍の勝たせてあげたいTV」のタイトルで放映されています。この他、2011年（第27回）までは独立放送局でも異なる内容で中継を放映するケースがありました。

脚注

注釈

[注釈の内容は省略します]

出典

[出典の内容は省略します]

外部リンク

読売新聞社杯全日本選抜競輪競輪資料室｜KEIRIN.JP

関連項目

全国都道府県選抜競輪

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