犀川橋 (長野県)

犀川橋の概要

犀川橋は、長野県安曇野市の明科中川手と明科七貴を結ぶ、長野県道51号大町明科線に位置する橋です。犀川の右岸と左岸を結び、松本市や長野市方面と、安曇野市や大町市方面への交通を円滑にする重要な役割を担っています。特に、明科より下流の犀川では左岸が山岳地帯となるため、松本盆地内の犀川下流部で渡るのに適した場所となっています。

橋梁以前の歴史

近世まで、犀川を渡るには、現在の犀川橋付近で渡し船が利用されていました。筑摩郡の塔の原から安曇郡の下押野へ渡るルートが一般的で、下押野には川口筏番所が置かれ、荷物の検査も行われていました。しかし、増水時には川を渡ることができず、特に梓川が増水した際には、松本と大町間の往来が大幅に遠回りとなる雑炊橋まで迂回する必要がありました。

橋梁の歴史

1902年（明治35年）：初めての橋が架けられました。これは長さ360メートル、幅3.6メートルの木橋で、県費によって建設されました。
1936年（昭和11年）：5つのアーチで構成された鋼鉄製の橋に架け替えられました。幅は5.5メートルで、犀川右岸から南北安曇へ通じる重要な橋として活用されました。しかし、車両の増加に伴い、幅が狭く、重量制限が14トンであったことが課題となりました。
1971年（昭和46年）：歩行者の安全を確保するため、幅1.4メートルの歩道橋が南側に取り付けられました。
1973年（昭和48年）：明科町、池田町、穂高町などが犀川橋改修期成同盟会を結成し、橋の改修を求める運動が始まりました。
1974年（昭和49年）：調査費が予算化され、橋脚下部のボーリング調査が行われましたが、用地買収などに時間がかかりました。
1980年（昭和55年）：全長360メートル、両側に幅2.5メートルの歩道を持つ、幅12.5メートルの現在の橋が完成しました。

まとめ

犀川橋は、安曇野市における交通の要として、地域の発展に大きく貢献してきました。古い時代には渡し船が利用されていた場所が、時代とともに橋が架けられ、人々の生活を支える重要なインフラへと変化を遂げてきました。

参考文献

* 『松本・塩尻の昭和史』郷土出版社、1999年3月

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