玉敷神社

玉敷神社（たましきじんじゃ）

玉敷神社は、埼玉県加須市騎西に位置する神社で、古くは「久伊豆大明神」とも称されていました。延喜式神名帳にも記載される式内社であり、旧社格は県社。元荒川流域に点在する久伊豆神社の総本社的な存在として、地域の人々に深く信仰されています。

祭神

御祭神は、大己貴命（おおなむちのみこと）です。

歴史

社伝によれば、大宝3年（703年）に東山道鎮撫使・多次比真人三宅磨によって創建されたと伝えられています。また、成務天皇6年に武蔵国造・兄多毛比命が創建したという説も存在します。

延喜式神名帳には「武蔵国埼玉郡 玉敷神社」として記載され、小社に列格されていました。元々は、現在の鎮座地より北方の埼玉郡正能村（現在の加須市正能）に鎮座していましたが、天正2年（1574年）に上杉謙信の兵火により社殿を焼失。古文書や社宝などもこの際に失われたため、それ以前の歴史については詳細が不明となっています。江戸時代に入り、埼玉郡根古屋村（現在の加須市根古屋）の騎西城大手門前に再建された後、寛永4年（1627年）頃に現在の場所へと遷座しました。

江戸時代までは、埼玉郡の総鎮守として広く尊崇されていました。

境内

境内には、本殿、神楽殿、神苑などがあり、豊かな自然に囲まれています。樹齢400年と推定される「玉敷神社のフジ」は、埼玉県の天然記念物に指定されており、開花時期には多くの観光客で賑わいます。

主な祭事

玉敷神社では、年間を通して様々な祭事が行われています。

1月1日: 元旦祭、歳旦祭
2月1日: 初春祭、神楽奉奏、だるま市
この日にはだるまが販売され、神楽が奉納されます。
2月: 節分祭、豆まき、厄除け祈願
4月下旬: お馬くぐり
かつては子供の麻疹除けとして行われていた行事で、現在は子供の健康と成長を願って行われます。
5月5日: 春季大祭、神楽奉奏、藤祭り
6月最終日曜: 茅の輪くぐり
7月15日: 夏季祭、神楽奉奏
12月1日: 例大祭、神楽奉奏
1月〜11月: お獅子様
玉敷神社独特のお祓い行事で、五穀豊穣や家内安全を祈願して、猿田彦の面とご神宝・剣の３つで１組のお獅子様が各地に貸し出されます。
お水取り: 毎月1日
江戸初期から薬効のある霊水とされている自然の地下水を汲むことができます。

文化財

玉敷神社は、数多くの文化財を有しています。

重要無形民俗文化財（国指定）
玉敷神社神楽: 2月1日の初春祭、5月5日の春季大祭、7月15日の夏季祭、12月1日の例大祭に奉納されます。
埼玉県指定文化財
有形文化財: 刺繍三十番神像
天然記念物: 玉敷神社のフジ
加須市指定文化財
有形文化財: 玉敷神社神楽殿、玉敷神社文書
有形民俗文化財: 玉敷神社算額、神楽講の大絵馬
天然記念物: 玉敷神社のいちょう

所在地

埼玉県加須市騎西575

アクセス

東武伊勢崎線 加須駅からバス
東北自動車道 加須ICから車

外部リンク

玉敷神社 - 加須市ホームページ
* 玉敷神社 - 埼玉県神社庁

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