玉造町駅

玉造町駅の概要

玉造町駅（たまつくりまちえき）は、茨城県行方市玉造甲に位置していた鹿島鉄道の駅であり、2007年4月1日に鹿島鉄道線が廃線に伴い廃駅となりました。この駅は地域の交通の重要な拠点として、長い間多くの利用者に親しまれてきました。

歴史の背景

駅の歴史は1928年（昭和3年）にさかのぼり、この年の2月1日に鹿島参宮鉄道の浜駅から延伸された際の終着駅として開業しました。その後、1929年（昭和4年）に鉾田駅まで延伸され、途中駅に昇格しました。1965年6月1日には鹿島参宮鉄道が常総筑波鉄道と合併し、関東鉄道が設立され、駅は関東鉄道鉾田線の一部となりました。1979年4月には再び鹿島鉄道に分社化され、鹿島鉄道線の駅として独立しました。

駅は1996年には業務委託駅となり、平日には駅員が配置され、出札窓口での切符販売が行われるようになりましたが、2007年に廃止されるまでその機能が維持されました。

駅の構造と設備

玉造町駅は、島式ホーム1面2線を備えた地上駅で、南側には側線が1本存在しました。駅舎は線路の南側に設置されており、ホームとの接続は構内踏切によって行われていました。末期には貨物用のホームが残存しており、その上には倉庫と消防団の建物が建っていました。また、ホーム上には待合所も設官されており、利用者の利便性が考慮されていました。

駅舎の横には男女共用の汲み取り式便所があり、改札内外から利用可能でした。個室には和式便器が設置されていました。駅前広場には水洗式の便所およびバリアフリートイレも整備されていました。

廃止後の状況

駅が廃止されてからは、駅舎とホームは解体されましたが、一部の設備は残っています。廃止後も鹿島鉄道代替バスとして関東鉄道が運行する路線バスが「玉造駅」と名付けられたバス停を経由し、地域住民の移動手段として機能しています。現在、石岡駅や鉾田駅方面行きのバスが発着しており、地域交通の重要な役割を果たしています。

また、敷地の一部は住宅分譲地として再利用され、現在では数軒の住宅が建てられています。過去には関鉄観光バスが運行していた路線もあり、近年では霞ヶ浦広域バスが土浦方面への運行を担当するなど、地域の交通網は変化を続けています。

その他の活動

玉造町駅は数々の文化的イベントの舞台ともなりました。2006年4月にはシンガーソングライターの柴田淳が自身のアルバム『花吹雪』のプロモーションビデオを撮影し、注目を集めました。その後、同年8月には「かしてつ祭り」の一環として多くのアーティストによるショーが行われました。2007年には映画『そのときは彼によろしく』の撮影場所としても利用され、当駅はその後の関心を呼ぶことにも寄与しました。

駅の閉鎖は地域の人々にとって寂しい出来事でありましたが、その歴史と文化的な意義は今もなお続いています。

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