玉龍大蔵

玉龍大蔵（たまりゅう だいぞう）

プロフィール

玉龍大蔵は、1954年7月22日に長崎県長崎市で生まれ、片男波部屋に所属した元大相撲力士です。本名は永田大蔵。身長191cm、体重125kgという恵まれた体格で、右四つ、吊り、上手投げ、足癖など多彩な技を持ち味としていました。音楽鑑賞を趣味とし、血液型はA型です。

生い立ちと入門

林業を営む家庭の次男として生まれた玉龍は、長崎市立東長崎中学校で柔道に打ち込んでいました。中学3年生の時、元関脇・玉乃海の片男波親方から熱心な勧誘を受け、片男波部屋へ入門。当初は断っていたものの、自身がNHK相撲解説者の玉ノ海梅吉と同郷である縁から、見学のつもりで部屋を訪れたところ、そのまま入門が決まったそうです。1970年1月場所で初土俵を踏みました。

十両昇進から幕内へ

初土俵から9年以上の歳月を経て、1979年5月場所で十両に昇進。しかし、同場所で右手の小指を骨折し、3勝12敗と大きく負け越し、わずか1場所で幕下へ陥落します。その後、1981年5月場所で西幕下5枚目の地位で6勝1敗の好成績を挙げ、翌7月場所で十両に復帰。1982年1月場所と3月場所では連続して二桁勝利を達成し、同年5月場所で新入幕を果たしました。序ノ口から12年2ヵ月、73場所を要しての入幕でした。

その後1年半ほどは幕内中位から下位で活躍しましたが、右肘の古傷が悪化し、1984年9月場所で東十両11枚目で3勝12敗と大敗し、翌11月場所では3年半ぶりに幕下へ陥落しました。当時30歳となっていたものの、西幕下9枚目の地位で迎えた同場所で7戦全勝で幕下優勝を果たし、1場所で十両に復帰。1985年1月場所では9勝6敗と勝ち越し、3月場所では西十両4枚目で12勝3敗と十両優勝を果たし、翌5月場所で3度目の入幕を果たしました。以降、幕内に定着。

幕内での活躍と金星

ソップ型の力士ながら長身と懐の深さを活かし、掛け投げや二丁投げなど奇手妙手を繰り出す荒技を得意とし、観客を魅了しました。1986年3月場所では自己最高位の東前頭2枚目に昇進しましたが、5勝10敗と負け越し。しかし同場所で優勝した関脇・保志や大関・朝潮に勝利する活躍を見せました。同年11月場所4日目には、横綱・千代の富士から生涯唯一となる金星を獲得しました。

三役昇進と引退

1987年9月場所、東前頭5枚目で8勝7敗と勝ち越し、関脇・小結の地位に昇進する力士が不在であったため、繰り上がる形で翌11月場所で新小結に昇進しました。新序ノ口から107場所、33歳3ヶ月での新三役昇進は、現在でも大相撲史上最も遅い記録となっています。しかし、その場所では3勝12敗と大きく負け越しました。結果的に、この場所が唯一の三役場所となりました。

1989年以降は幕内から陥落し、十両で3年近く相撲を取り続け、昭和20年代生まれの最後の現役力士として土俵に上がり続けました。1992年1月場所で7年2ヶ月ぶりに幕下へ陥落し、場所後、37歳で引退しました。年寄株を取得できなかったため、日本相撲協会には残らず、その後、栃木県宇都宮市内で相撲料理店「相撲茶屋 玉龍」を2013年まで経営。閉店後は故郷の長崎に帰郷しました。

記録

幕内を30場所（うち三役1場所）務め、金星を獲得する活躍を見せましたが、三賞は一度も受賞できませんでした。元関脇・高見山の現役最後の対戦相手でもあり、高見山よりも2年長く、22年間現役を務めました。

通算成績：700勝714敗14休 勝率.495
幕内成績：195勝255敗 勝率.433
現役在位：132場所
幕内在位：30場所
三役在位：1場所（小結1場所）
三賞：無し
金星：1個（千代の富士から。1986年11月場所4日目）
十両優勝：1回（1985年3月場所）
幕下優勝：1回（1984年11月場所）

改名歴

永田 大蔵（ながた だいぞう、1970年3月場所-1972年1月場所）
* 玉龍 大蔵（たまりゅう -、1972年3月場所-1992年1月場所）

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