王准之

王准之の生涯と業績

王准之（おう じゅんし、378年 - 433年）は、東晋から南朝宋にかけて活躍した著名な学者および官僚です。彼の字は元曾で、本貫は琅邪郡臨沂県にあります。王准之は、父王訥之のもとで育ち、三礼（『礼記』『周礼』『儀礼』）に精通し、豊かな語彙を誇っていました。

初期の経歴

王准之は官職のキャリアを琅邪国右常侍としてスタートしました。その後、桓玄のもとで大将軍行参軍を務め、桓玄が帝位を主張すると、尚書祠部郎に任命されました。義熙の初年には尚書中兵郎を拝命し、劉裕のもとで車騎中軍参軍事に従事しました。

彼は丹陽丞や中軍太尉主簿、さらには山陰県令としての任務を通じて、有能な官僚として評価を受けるようになります。盧循の乱の討伐にも参加し、この功績によって都亭侯に封じられました。その後、彼は鎮西・平北・太尉参軍を歴任し、尚書左丞に昇進しつつ、琅邪郡大中正としても活躍しました。

御史中丞としての評価

南朝宋が建立されると、王准之は御史中丞に任じられ、官僚たちから一目置かれる存在となりました。彼の曾祖父王彪之、祖父王臨之、父王訥之に続き、四代にわたってこの職を務めた家系背景もあり、彼らの業績は高く評価されるものでした。

あるとき、王准之が詩を作った際、范泰に批判されたときには、冷静に自身の立場を示す返答をしました。このように、慎重かつ知的な姿勢が彼の魅力を引き立てています。しかし世子右衛率の謝霊運に連座し、免官される事態も発生しました。

政治と学問の両立

420年、劉裕が皇位につくと、王准之は黄門侍郎に任命されました。翌年には、三年間の喪の期間について鄭玄の解釈とは異なる見解を上呈し、これが南朝宋で採用されることとなりました。このように、王准之は政治的な立場を持ちながらも、学問に対しても大きな影響力を持つ人物でした。

その後、彼は司徒左長史に転任し、始興郡太守に就任します。425年には江夏王劉義恭のもとで撫軍長史となり、歴陽郡太守を兼任しながら、南豫州の業務を代行することになります。

知識人としての貢献

次第に入朝し侍中となり、元嘉3年には都官尚書に転任し、吏部の任務を兼ねました。しかし、官僚の人事がすぐれず、貴族たちからの信頼を失うこともありました。その後丹陽尹として出向し、古い儀礼に関する知識の豊富さが評価されました。彭城王劉義康からは、「王準之が2、3人いれば天下は安定する」と称賛され、多くの人々に尊敬されていました。

王准之は『儀注』を編纂し、これが南朝で広く利用されることとなったのも彼の業績の一つです。彼の学問は後世にまで影響を与え、多くの人々に学ばれることとなります。

最後の時

433年6月8日、王准之は56年の生涯を終えました。彼の死後、太常の位が追贈されることになりました。子の王輿之もまた、征虜主簿という官職に就くなど、家族はその名声を受け継いでいます。王准之の業績と影響力は、今日でも学問と政治の分野で評価され続けています。

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