王凝

王凝について

王凝（おう ぎょう、821年 - 878年）は、唐代における傑出した官僚として知られています。彼の字は致平または成庶で、本貫は太原府晋陽県に位置しています。

家族と若年期

王凝は、衡州刺史である王衆仲の子として生まれました。河東県令の王重（王翊の子であり、王正雅の従弟）から数えて孫にあたります。若くして父親を失い、母方の親戚である鄭粛に育てられました。その後、王凝は15歳で両経において優秀な成績を収め、文士たちの間で称賛を受けることになります。彼の著作『京城六崗銘』は、多くの人に影響を与えました。さらに彼は進士甲科に合格し、その名声は一層高まりました。

官僚としての経歴

王凝は、崔璪が塩鉄使に任命されると、彼に召し出されて巡官としての職務を担いました。その後、梓潼・宣歙使の役目を果たし、宰相の崔亀従が彼を鄠県県尉および集賢殿校理に推薦しました。続いて、監察御史や殿中侍御史といった重要な役職に昇進し、数々の重要な職務を歴任しました。彼はまた、礼部員外郎・兵部員外郎・考功員外郎としても活躍しました。

王凝は、宰相に対しても強く信頼されており、時には政権の方針と合わずに、同州刺史へと転任させられることもありました。しかし、彼の正直さと信念は決して揺らぐことはありませんでした。病を患った後には、華州敷水の別荘へと移り住みますが、翌年には礼部侍郎として再び召喚されました。

徳と業績

王凝の最も顕著な特徴は、その性格が非常に強固で正直であったことです。科挙においては、非凡な才能を持つ人物を身分にかかわらず登用しました。彼は権貴の請託は一切断り、その正直さが時には彼自身に不利益をもたらすこともありました。結果、商州刺史に異動されることとなりましたが、翌年には潭州刺史および湖南都団練観察使に任命され、そこでの活躍が求められました。

兵部侍郎や塩鉄転運使としても職務を全うし、937年に起こった黄巣の反乱に対しても果敢に行動しました。彼は牙将の樊儔に軍を指揮させ、和州を救援するために派遣しましたが、樊儔が命令に従わなかったため、彼は自ら樊儔を斬り、別の将軍に指揮を代えました。

王凝は一度も敵に屈することなく、数カ月にわたって宣州を守り抜きました。彼の指揮のもと、反乱軍は撤退を余儀なくされましたが、夏になると彼は再び病に倒れ、8月に宣州でその生涯を閉じることになります。享年は58でした。彼に贈られた位は吏部尚書であり、貞という諡も与えられました。

後世への影響

王凝には後継となる息子がいなかったため、弟の王洧の子である王鑣が彼の後を継ぐこととなりました。王凝の人生は、彼の正直さと人材に対する眼識、そして揺るぎない信念によって、唐代における重要な官僚の一人として名を残しています。彼の業績は、後の時代にも影響を与え、歴史にその名を刻むこととなりました。

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