王勵

王勵（おう れい、512年 - 537年）は、中国西魏時代の軍人であり、字は丑興、本貫は楽浪郡です。彼の家系は、弟である王懋の墓誌に記されているように、魏に仕えたことで複姓「拓王氏」を名乗るようになったとされ、胡族の血を引いていると考えられています。

生涯

王勵は王盟の子として生まれました。528年、宇文泰の勢力下に入り、その腹心として常に従軍しました。その功績により、平東将軍・散騎常侍に任じられ、梁父県公の爵位を授けられました。535年には、千牛備身直長・領左右となり、文帝からの信任を得て、その寝室に出入りすることも許されるほどになりました。

537年、沙苑の戦いにおいて、王勵は都督として禁兵を率い、宇文泰に従って戦いました。彼は西魏軍の左翼に位置し、幕下の数十人を率いて奮戦しましたが、激戦の中で重傷を負い、志半ばで亡くなりました。享年26歳という若さでした。

その死後、彼の功績を称え、使持節・太尉・領尚書令・十州諸軍事・雍州刺史の位が追贈され、咸陽郡公に追封されました。諡号は忠武とされました。彼の息子である王弼は爵位を継ぎ、西魏の安楽公主を妻に迎え、撫軍将軍・大都督・通直散騎常侍という要職を歴任しました。

人物像

王勵は、宇文泰からの信頼が厚く、文帝の側近としても重用されたことから、非常に有能な人物であったと考えられます。沙苑の戦いでの勇猛な戦いぶりからも、その武勇が伺えます。若くして亡くなったことが惜しまれる人物です。

参考文献

『周書』巻二十・列伝第十二
『北史』巻六十一・列伝第四十九

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